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眠れない人に【改作・昔話「桃太郎」】

投稿日:2019年12月2日 更新日:

眠れない人に【改作・昔話「桃太郎」】

「小説家になろう」に投稿している私の小説を皆さんに紹介させていただきます。
昔話や童話を独自の解釈でアレンジしてみました。

改作・昔話「桃太郎」

 ねえ、眠れないの? 明日、朝早いよね? 困ったなあ。じゃあさ、眠くなるように昔話してあげるね。

 むか~し、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがいました。このおじいさん、どんな人だと思う? う~ん、私の想像では、たぶん七十歳は越えているかな。おそらく髪の毛は白髪、昔は白髪染めなんかないだろうから、染めてはいないよね。

 でもさ、それがまた良いの。ロマンスグレーって言うか、昔の上原謙さんみたいなね。上原謙さんって知ってるかな? 加山雄三さんのお父さん。三十八歳年下の人と再婚してね、七十歳近くで子どもが生まれてたの。

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そう考えると、このおじいさんも、まだまだ子どもを授かる可能性はあるよね。

 きっとさ、若い頃はイケメンで、年齢を重ねても男前なんじゃないかな? このおじいさん、山へ柴刈りに行くんだけど、背筋もピンと伸びていそうだよね。

 昔の人だから、今の人よりはそんなに背は高くないかも。でもきっと、当時の男性の中では高い方だったんじゃないかな。足も長くてね。足が長いと言えば、石原裕次郎さん。裕次郎さん、知ってるかな? 昭和の大スター、ドラマ「太陽にほえろ」の藤堂係長ね。

 裕次郎さんは、映画「嵐を呼ぶ男」でドラマーやってたから、このおじいさんももしかしたら、山で拾った木の枝をスティック代わりにして、木を叩いていたかも。オイラはドラマー、ヤクザなドラマーとか言いながらね。でも良く考えたら、おじいさんの時代にはまだ裕次郎さんいなかったから、おじいさんの方が先かも。

 毎日山に登るんだから、かなり足腰が鍛えられていたと思うよ。柴を入れた籠がどのくらいの重さになるかわからないけど、きっと軽々と担いでいたんじゃないかな。心肺機能もかなり鍛えられていただろうね。だってさ、柴がいくらで売れるかわかんないけど、相当の数がないと安いんじゃない?

そう考えると、何度も山を登ったり下ったりしてたんじゃないかな。

 たぶん、負けず嫌いな人だろうから、誰よりもたくさんとりたかっただろうからね。そんなこんなで、仕事をしながら自然と体が鍛えられていったんだよね、きっと。

 それでさ、年に一度の持久走大会とかあったんじゃない? 村の足自慢が集まってさ、ちょうど今で言えば、正月の箱根駅伝みたいな感じ? おそらくおじいさんは、山登りの区間を走っていたと思うよ。当時は、今みたいに舗装された道路じゃないから、かなり走りにくかったよね。

 でこぼこの山道を登ったり下ったり。それでおじいさんは、最下位でタスキを受けるんだけど、あれよあれよと言う間に、十人ごぼう抜きでトップでゴールするんだよね。そんな感じで、みんな楽しんでたんじゃないかな。優勝したら牛一頭もらえるとかね。

 じゃあ、おばあさんはどんな人なんだろう。もしかしたら、八千草薫さんみたいな人? いつまでも変わらず綺麗な人だったけど、この前亡くなっちゃった。綺麗なまま亡くなったって感じ。寅さんシリーズに出たのが四十一歳の時で、寅さんの同級生役だった。いつもは寅さんがマドンナにフラれるんだけど、八千草さんの場合はプロポーズを待っていたのにフラれちゃうんだよね。

 もしかしたらこのおばあさんも、八千草さんみたいに綺麗な人かも知れないね。おばあさんは、おじいさんが山へ柴刈りに行っている間、川へ洗濯に行くんだよね。川へ洗濯って言うと、朝ドラ「おしん」を思い出しちゃう。奉公先で、井戸の水で洗濯をしようとしたら、「ここじゃねえ、川で洗え!」って怒られちゃうんだよ。

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夏は良いんだけどね、冬が大変。

 山形は雪が降るから、川の水が冷たくて洗えないんだよね。それでおしんは、「もうやってられない」って、何かがぶちっと切れて、実家に歩いて帰ろうとするの。このおじいさんとおばあさんがどこに住んでいるのかが問題なんだよね。

 鹿児島なんかあったかいけど、雪の代わりに、桜島の灰が降ってくるの。だいたい、夏は薩摩半島、冬は大隅半島なんだけど、風の向きで変わるんだよね。だから天気予報では、桜島の降灰予報が出てくる。だから、洗濯物なんか外に干してられないのよ。

 えーっと、なんの話だっけ? ああ、そうそう、桃太郎だよね。川上から大きな桃が流れてきて、切ったら中から男の子が出てきて、大きくなったら鬼ヶ島に行くって話。どう、眠くなった? じゃあ、おやすみなさい。

【出典:https://ncode.syosetu.com/n1255fw/1/】

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