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クレヨンしんちゃんのちょっといい話 しんのすけが生まれた日(小説風)

投稿日:2016年12月22日 更新日:

クレヨンしんちゃんのちょっといい話 しんのすけが生まれた日(小説風)

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クレヨンしんちゃんの大ファンです。
今は亡き臼井儀人先生に捧げます。

クレヨンしんちゃんのちょっといい話 しんのすけが生まれた日 その1

まだひまわりが生まれる前のお話です。
みさえは妊娠中でかなりお腹が大きくなっています。
お腹の中で「ビクン」と赤ちゃんが動き「あ、動いた」とつぶやくみさえ。

しんのすけが「なにが?」と尋ねると、「お腹の赤ちゃんが動いたのよ」と説明します。
興味津々で「どれどれ」とお腹を触るしんのすけ。
すると「ドクン!」と音がして「お!」っと驚くしんのすけ。
「ぺたぺた」とやさしくたたきます。
すると、「ドクン!」「ドクン!」と動いたので、さらに「おおっ」と驚きました。
調子に乗ってグローブをはめ「よぉし!!」と気合を入れるしんのすけに「『よぉし』じゃない!!」「乱暴なことしないでちょうだい」と怒るみさえ。

「赤ちゃんて、どこから出てくるの?」としんのすけはみさえに聞きます。
みさえは「来た!!親ならば誰もがぶつかるこの瞬間」と緊張します。
「こーゆー質問には、よく、こう答えるわよね」と考えるみさえ。
それは「お腹から出てくるのよ」という切り返しでした。
「でも、子どもにはほんとの事をキチンと伝えるべきよね。ああ、でもどーゆーふうに言えばいいの?」とみさえは困ってしまいます。

するとしんのすけが「『おまた』って言えばいいんだよ」と言うので「知ってんじゃねーか!」とみさえはツッコミます。

「おらもお腹の中で動いた?オラ、どうやって生まれた?」と聞くしんのすけ。
みさえは「しんちゃんはね…」と5年前の話を始めます。

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お腹の中のしんのすけがビクンと動き、「あ、動いた」と言うみさえ。
ひろしが「どれどれ」とお腹に耳をあててみますが、うんともすんともしません。
「ちぇっ」とがっかりしてグラビア雑誌を読み始めるひろし。
すると、お腹の中のしんのすけが動きました。
「ためしに…」と水着の写真を見せると…
「ドンドコドコドコ、ドンドコドコドコ」とお腹の中で動き回っています。
「な、なんだか喜んでるみたい…」と言うみさえに、「こいつ男だよ、きっと…」と断言するひろし。

ひろしは会社で生まれてくる子につける名前を考えていました。
”しんいち とものり すぐる けんた”
そこへ係長が「野原くん、赤ちゃんの名前かい?」と声をかけます。

クレヨンしんちゃんのちょっといい話 しんのすけが生まれた日 その2

突然、電話が鳴りました。
みさえからでした。
陣痛が始まったから一人で病院に行くとのこと。
ひろしは「予定日は来週なのに…」と驚いています。

係長から「産まれそうなのか!?すぐに行ってあげたまえ」と言われたひろしは「いや、いいんです。男は仕事ですから」と答えます。
そして「取り引き先行ってきます。ハハハ」と笑いますが、手には電話機を持っています。
「野原くん、それカバンじゃないって…」と言う係長。
「かなり動揺してますね」と同僚も心配しています。

「すぐに行ってあげなさい!!」と係長が命令。
「しかし、仕事が…」というひろしに「君なんかいなくたって会社は大丈夫!!」「そーだそーだ、全然影響ないです」と言うみんな。
ひろしは泣きながら「みんな、ありがとよ。ちきしょおお」と少し悔しそう。

【しばた産婦人科】
ベッドの上で「うーん、うーん」と力んでいるみさえ。
女の先生が「頑張って、もっと力んで!!」と指示しています。
おばさん看護師が「なかなか出てこないわねえ。ちょっと代わって、トイレトイレ…」と言って、若い女性看護師に交代します。
すると、”するするする”……
「あっ、急に頭が出てきました!!」と叫ぶ声に「えっ!?交代しましょ」とおばさん看護師が言います。
すると、”ささーーーっ”……
「あっ、引っこんだ」(若い女性看護師)
「なんでよ!」(おばさん看護師)

雨の中、ひろしがずぶ濡れになりながら、産婦人科に向かっています。
分娩室からは「オギャーッ、オギャーッ」と聞こえてきて「みさえ!」と叫ぶひろし。
「みさえ!」と泣きながらドアを開け、「よくやった、みさえ!」と手を握るひろし。
しかし、それは全く知らない奥さんの手で、「野原さんはとなりです」と言われてしまいます。

「元気な男の子ですよ」と若い女性看護師に言われ「これがオレたちの子か」と感動するひろしとみさえ。
「名前考えてくれた?」と聞かれたひろしは「おう、バッチリよ」と胸のポケットから紙を出しました。
その紙は雨に濡れて文字が流れていました。
残っていたのは「しんのすけ」の5文字。

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