遺伝子操作がもたらす恐るべき未来 やりすぎ都市伝説 2016冬 4時間SP
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2016年12月23日放送、「やりすぎ都市伝説 2016冬 4時間SP」より
「遺伝子操作がもたらす恐るべき未来」
「ゲノム編集」と呼ばれる技術
今、世界の科学界で「近い将来、確実にノーベル賞を獲るだろう」と言われている技術があります。
それが「ゲノム編集」と呼ばれる技術です。
ゲノムとは、細胞の中の遺伝子や染色体などのすべてのDNAの遺伝情報を、まとめて呼ぶ言葉です。
ゲノム編集に良く似た技術で「遺伝子組み換え」という技術が以前からありました。
これは、食品の成分表示でもご覧になったことがあるかも知れません。
「遺伝子組み換え」というのは、狙った効果を出すために「運任せ」な部分が多かったのです。
何千回、何万回とやってみて、初めて成功例が得られるというような、いわば「偶然に頼った技術」でした。
それが、2012年にクリスパー・キャスナイン(CRISPR/Cas9)という、新しい画期的な技術が発表されたのです。
これを使えば、遺伝子の狙った部分にピンポイントで小さな切り込みを入れることが出来て、その遺伝子を部分的に削除したり、別の遺伝子をそこに組み込んだりということが出来るのです。
例えて言うなら、スマホでメールを編集するように、簡単に出来てしまうという技術なのです。
しかも、今までの技術に比べて、格段に成功率が高くなりました。
これが、遺伝子組み換えをはるかに凌ぐ、ゲノム編集という技術なのです。
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アメリカでは実用化の段階に
ゲノム編集は、今は水産業や農業などの食品の分野で主に実験されています。
例えば、我々を含む生物の多くが持っている遺伝子で、ある程度まで筋肉が成長した時点で、筋肉の成長を止めてしまう、いわばストッパーになるような遺伝子でミオスタチンというものがあります。
このミオスタチンに目をつけた京都大学の研究者が、魚のタイの遺伝子の中からミオスタチンだけをゲノム編集で取り除きました。
すると、1匹のタイから得られる肉の量が、1.5倍に増えました。
ストッパーがなくなったことで肉の量が増え、効率的に養殖ができるようになるのです。
魚を品種改良するために、今までの偶然に頼る技術を使うと、100年以上かかると言われていましたが、ゲノム編集を使うと、ほんの数年で完全に改良できるというのです。
この技術はアメリカでは、実用化の段階に入っています。
牛に対してゲノム編集を施した結果、摂れる肉の量がなんと2倍になりました。
アジアやアフリカなどの、食糧難で苦しんでいる国に流通させることで、問題解決ができると言われています。
他にも、「腐りにくいトマト」「成長が早くなったサバ」「卵アレルギーの人でも食べられる卵」などが開発されています。
このようなゲノム編集された食品が出回って、我々の口に入る日も近いと言われています。
「マラリアにかかりにくい蚊」
そして、このゲノム編集が活躍するのではないかと言われている分野が、もう一つあります。
今、世界中で、最も人間を死に至らしめている生物が何か、ご存じでしょうか?
2位が人間で、1位が蚊です。
蚊は、マラリア、デング熱、ジカ熱などを媒介する恐ろしい生き物とされています。
年間で、70万人以上の方が亡くなっています。
たくさんいる蚊の中から、ウイルスに感染している蚊だけをピックアップして駆除することは、現実に考えて不可能です。
かと言って、蚊を全滅させてしまっても、生態系に多大な影響を与えてしまいます。
ここで生まれたのが、ゲノム編集を使った技術です。
まず、ゲノム編集で「マラリアにかかりにくい蚊」を作ります。
この蚊を自然界に放ち、元々いる蚊と交配させ、子どもをたくさん産んでもらいます。
しかしこの時点では、子どもに遺伝する確率はまだ50%に過ぎません。
ここでもゲノム編集を使うことで、遺伝する確率を99%以上にまで上げることができるのです。
これにより、交配をすればするほど、どんどん「マラリアにかからない蚊」が増えていって、やがてはマラリアを駆逐することができると・・・。
この技術は「遺伝子ドライブ」と呼ばれ、今まさにマラリアを駆逐すべく研究が進められています。
難病の治療に使われる
ゲノム編集の応用を何より期待しているのが医療の分野です。
アメリカでは、エイズウイルスにかかった患者から白血球を取り出し、これにゲノム編集を加えて体内に戻すことで、免疫力が飛躍的に回復するということもされています。
白血球にエイズウイルスが入りにくくする効果が出るのです。
それだけでなく、がんや、筋ジストロフィーのような難病の治療にも使われると言われています。
非常に期待されているゲノム編集ですが、《ある研究》が一つ行われました。
人間の受精卵でもゲノム編集が出来る!?
日本人科学者が行なった研究で、サルの受精卵にゲノム編集を行うことで、免疫が働かないようにしたサルを生み出すことに成功しました。
この事実から考えられることは何かと言うと、サルの受精卵でゲノム編集が出来るということは、人間の受精卵でもゲノム編集が出来てしまうということなのです。
この人間の受精卵にゲノム編集をするということは、非常に大きな問題があります。
それは「デザイナーベイビー」という問題です。
「デザイナーベイビー」
自由自在に人間の受精卵にゲノム編集が出来るようになったらどうなるか?
病気の遺伝子を持った人が、子どもに遺伝しないように使うことが考えられます。
しかし、それだけではきっと治まらないはずです。
「高身長」「容姿端麗」「すごい身体能力」の子どもを産んであげたいと思うのが、自然な親心ですよね。
そしてそれが、ゲノム編集で出来てしまうのです。
もっと言えば、IQが200を超える天才を産むことだって出来るのです。
究極的には、それらを全て兼ね備えた、あらゆる面で完璧な能力を持った人間を、いわば「パーフェクト・ヒューマン」を生みだすことが出来るのです。
親が自分の子どもを、自由自在にデザイン出来てしまうことから「デザイナーベイビー」と呼ばれ、非常に問題視されています。
世界的に「ヒトの遺伝子にゲノム編集をかける」ことに対して、今まさに議論の真っ只中にあります。
どちらかと言えば「まだ時期尚早」という意見が優勢です。
国によっては、法律で規制しているところもあります。
中国ではついにヒトの受精卵に!?
そんな中、昨年の4月、中国のある研究チームが、ついにヒトの受精卵でゲノム編集を経験してしまったということが発表されました。
デザイナーベイビーの誕生は、すぐそこまで迫っているかも知れません。
いつの時代もテクノロジーは、人間の欲望によって発展します。
最先端の技術なので、一般の人が受けるには、非常に高額な費用がかかります。
ゲノム編集の恩恵が受けられるのは、一部の限られた富裕層の人だけということになります。
ゲノム編集がもたらす恐るべき未来
そうなると、既に社会で力を持っている富裕層が、ゲノム編集で能力の高い子どもを生みだし、その子どもたちがまた社会の支配階級に居座り続けるというスパイラルが起こってしまいます。
貧しい人々は、どう頑張ってもゲノム編集を受けられないという、完全な二極化が起きてしまうのです。
ゲノム編集で作られたパーフェクト・ヒューマンが、我々ナチュラル・ヒューマンを支配するような時代がやって来るかも知れません。
信じるか信じないかは、あなた次第です!
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