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小児性犯罪者が語る「飼育欲」とは!?

投稿日:2018年7月14日 更新日:

小さな子どもを性の対象とする小児性犯罪者たち。
その実態を知っておくことも重要です。

小児性犯罪者たちの「おぞましき飼育欲」その実態

加害者は動機を「純愛」だと語った 2018.07.06

斉藤 章佳
精神保健福祉士・社会福祉士
大森榎本クリニック精神保健福祉部長

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体操クラブのインストラクターの「飼育」

「飼育欲」という言葉を聞いたとき、私は身の毛がよだつ覚えがした。
まだ何もわからない子どもを標的として性の対象にしてむさぼる。
そこにあるのは確かに「支配欲」とか「優越感」という身勝手な感情だが、「飼育欲という言葉が最もしっくりくる」と語る一人の小児性犯罪者の言葉は、まさに子どもを狙う動機そのものという感じがした。

その小児性犯罪者は、とある体操クラブで子どもたちに性暴力を繰り返したインストラクター。
彼が標的にしたのは、小学校低学年の女の子だった。
彼の指導に子どもたちは真剣に耳を傾け、誰もが「先生」と呼んで慕っていた。

子どもたちすべてに、教え子として「可愛い」という感情を抱きながらも、彼はある女の子への性的欲求や衝動を押さえられずにいた。
その子のレオタード姿をみると「吸い込まれそうになる」と語るのだ。

彼はやがてひと気のない場所に、呼び出しては性的接触を彼女に試みるようになる。
その子は当初は何をされているのかわからないし、信頼する先生のすることにあまり疑問を感じていなかった。

むしろ女の子は自分だけ特別扱いをされている感覚になりつつあった。
彼はそんな彼女に「先生との秘密だよ」「絶対に誰にも言っちゃダメだよ」とささやき、行為を終えるのが常だった。

インストラクターの立場を利用して、時にはその子を選手に選抜したり、またその子だけを特別扱いすることで、彼女の心をつかんでいった。
うまくなりたいとか、選手に選ばれたいという彼女の望みをかなえ、やがて彼女を意のままにすることができるようになった。
彼の言葉を借りれば、実に狡猾に「飼育」していったのだ。

やがてその子は先生との特別な関係に疑問を抱きはじめ、周囲にばれたらどうしようという恐怖感に支配されるようになった。
不眠、動悸、抑うつ気分などの兆候が出始め、その苦しみが限界に達し、とうとうクラブに顔を出せなくなってしまうと、彼は次のターゲットを探し始める。

子どもたちの性格を見抜き、「誰にも言わない」という約束を守れる従順な子をまた自分の性の玩具とする。
彼の性暴力は、こうした行動の繰り返しだった。

「愛していた」と言う加害者たち

通常13歳以下の子どもへ性犯罪を繰り返す者は、精神医学の世界で「小児性愛(ペドフィリア)障害」と呼ばれている(DSM-Ⅴ「精神疾患の分類と診断の手引き」参照)。
しかしこの言葉を私は使わない。
講演などでは「小児性犯罪」とか「小児性暴力」という表現を意識的に使うようにしている。

それは彼らが児童への性的接触を「愛」だと錯覚しているという点から、あえて誤解を与えないようにそれを「愛」ではなく、明確に「性犯罪(性暴力)」というようにしている。
小児性犯罪の加害者のほとんどが、自らの行為の動機を「純愛」であると語る。

必死に「愛していたからだ」と説明しようとする。
時には「先生が成人の女性を愛するように、私は子どもを愛してしまうのです」と語り、しばしばLGBT(性同一性障害など)の例を引用する者もいる。

「私はLGBTの人たちと同じなんです。彼らが気付いたときには同姓しか愛せなくなっていたように、私も気が付いたら子どもしか愛せなかった」。
そして中には「それの何が悪いんだ」という表情をして見せる者もいる。

確かに彼らは自らの特殊な性嗜好について比較的早い段階(中学生ごろ)で自覚していることが多い。
そして、その性嗜好は生涯続くケースがほとんどだ。
もちろん、生育過程の中で、成人女性も性対象に含まれる場合もある。

小学生低学年で好きな女の子ができて初恋をする。
やがて中学生になり自慰行為をするようになると、アダルトサイトをみてもあまり興奮しないことに気が付く。

なぜか強烈な性的興奮が得られるのは、小学校の時に好きだった女の子の当時の姿を思い出すとき。
こうして多くは中学生から高校生で、自分に小児性愛障害傾向があることを自覚するようになる。

彼らに共通の特徴的な属性を見付けるのは難しい。
たとえば性犯罪でも痴漢の加害者は属性がはっきり出る傾向にある。
4大卒の妻子持ちのサラリーマンが圧倒的に多いのだが、一方で小児性犯罪者は、もっと属性が多様だ。

ある保育士の「トイレトレーニング」

貧困家庭で育ち生育環境がひどい人もいるし、親が医者で裕福な家庭であったり、両親も自分も学校の先生ということもある。
ただし他の性犯罪者と同じなのは、現実に対する認知に大きな歪みが生じているパターンが多いということ。
つまり自分の都合のいいように現実を捉えて問題行動を繰り返してしまうのだ。

例えば痴漢加害者は、痴漢をする際に、次のような認知の歪みが生じている。
「多くの女性は、痴漢されたがっているのだ」
「女性専用車両に乗っていない女性は痴漢されたがっているのだ」

これと同様に小児性犯罪者は、子どもたちにわいせつな行為をするとき、次のような考えが彼らの行動基盤を支えているのだという。
「この子もいずれセックスを経験する時が来る。その前に僕が教えてあげるのだ」
「あくまでこれは性教育なのだ。優しく教えてあげるのだから、罪ではないのだ」

しかも言うことを良く聞き、自分に慕っている子どもは、コントロールが容易となる。
それが歪んだ現実認識と、屈折した愛情が重なり、やがてまるでペットのように「飼育する」という感覚に至る。
この身勝手さは、ひとえに彼らの湧き上がる欲望を正当化しようとする意識によってもたらされているのだろう。

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彼らの性嗜好は職業選択にも関わっている可能性がある。
私がこう考えるのは、先のインストラクターもそうだが、小学校の先生や保育士に小児性愛障害傾向のある者が少なからずいるからだ。

2016年度、性的行為などで懲戒処分された公立学校の教職員は全国で226人に達していて、これに危機意識の強い千葉県や神奈川県では、毎年児童に対して匿名の大規模な調査を実施している。
実際に私が治療にあたった100名を超える小児性犯罪者の中には、小学校の先生もいれば保育士やスポーツインストラクターもいる。

ある保育士はすでにベテランの領域に達する年齢だった。
様々な保育所での勤務経験があり、その各所で小児性犯罪を繰り返してきたが、彼の特徴は女の子にも男の子にもそうした性暴力を繰り返していたことだった。
彼はトイレで問題行動に及ぶのだが、子どもたちを連れ込む口実を「トイレトレーニング」と称していた。

再犯率84.6%

「気持ちよくさせてあげる」と言って、男の子の性器を触る、あるいは女の子の性器に石鹸を泡立てた手の指を入れる。
さらには自分の陰茎を触らせることもあった。
彼は射精には至らなかったそうだが、この行為を繰り返すことで、支配欲や飼育欲を満たしていたのだろう。

やがて「今日、先生におちんちんさわられた」という児童からの報告が頻繁にあったことで、不信感を抱いた保護者の抗議により、彼の性暴力は明るみになった。
常識的に考えれば「当然の帰結だ」と多くの人が思うだろう。

なぜ彼は、こうした問題行動を続けていると、やがて発覚すると考えなかったのだろうか。
もちろんそれは分かってはいた。
それでも彼は問題行動をやめられなかったのだ。

小児性犯罪に限らず、性犯罪者は「強迫性」「反復性」「衝動性」「貪欲性」という特徴を持っている。
彼らは「やらずにはいられない」と語るほどに、その行為に強い執着心を持っていて、一度、こうした欲求にスイッチが入ると、一日中そのことが頭から離れなくなってしまう。
まさに条件反射の「パブロフの犬」状態である。

ある小児性犯罪者は、その行為を禁じられている状態を「断食をしているようだ」と語った。
食欲にも勝るほどの欲求なのであり、彼の言葉は、小児性犯罪者にとってその行為ができない状態は、極めて厳しい禁欲状態に置かれていることを表している。

それを裏付けるように、法務省の法務総合研究所の調査によると、裁判確定から5年経過時点での再犯の有無を示す再犯率は、低年齢の子供を狙った小児わいせつ型の再犯調査対象者で「性犯罪再犯あり」が9・5%、「その他再犯あり」は6・6%だった。
ただ、性犯罪前科が2回以上ある人を類型別でみると、小児わいせつ型は84・6%に上り、痴漢を除く強制わいせつ型(44・0%)や単独強姦型(63・2%)と比べても同一類型の小児わいせつ型性犯罪を繰り返す傾向がうかがえた。

またこうした強い欲求が、何度も同じことを繰り返す「反復性」の原因にもなっている。
そしてこうした行為を繰り返すがために、小児性犯罪に手を染める行動は計画的になり、段階を踏んでスキルアップしていく。

さらに「反復性」があるがゆえに、同じことを続けていては、やがて刺激が得られなくなっていく。
新たな刺激を求めて行為はどんどんエスカレートしてしまうのだ。

究極の支配が「命のコントロール」

計画性は小児性犯罪の「盗撮」の事例にもよく表れる。
小学校のプールの脱衣所にカメラを仕掛けて、逮捕されたあるサラリーマンは、学校の中で盗撮するためにカメラを設置する適切な場所を調べ尽くしていた。
学校の関係者ではないので、それを仕掛けるだけでも不審者と見られる可能性がありリスクの高い行為だが、それをやり遂げる戦略と計画性を持っていたことになる。

そして盗撮という行為にもやはり「飼育欲」に似た欲望が根底にあることがうかがえる。
ある盗撮犯は「盗撮は、相手に気づかれずに、自分が気になる子の日記を盗み見る感覚だ」と語った。

盗撮犯は比較的女性経験や恋愛経験のない者が多く、コミュニケーション能力が低い傾向にある。
女性に触れたいという欲求は強いが、それができないコンプレックスを癒してくれるのが、女の子に気が付かれない間に盗撮した写真。

盗撮した写真を彼はコレクションし、その好きな女の子の写真をならべては「お前のことを俺はすべて知っているのだ」という圧倒的な優越感に浸る。
フィリピンで児童売春を繰り返した中学校の元校長もまた少女たちの写真をたくさんコレクションしていたが、こうした優越感もまた「支配」の一形態と捉えることができるだろう。

私は殺人を犯した小児性犯罪者を治療した経験はないが、これまでの臨床経験に基づいて、その犯行に至るプロセスを推測することはできる。
5月に起きた新潟女児殺害事件は、かなり入念に下調べをした結果、女児がどのような行動をとるかを把握していた様子がうかがえる。
それが故に事故を装い、連れ去ることができたのだろう。

これまでの数々の小児性犯罪事件にも同様の特徴が見て取れる。
小児性犯罪者が危険なのは、その再犯率もさることながら、強い「強迫性」「反復性」「衝動性」「貪欲性」によって、行為がエスカレートしていくという現実だ。

飼育の果てに我がものとなったと錯覚した小児性犯罪者は、殺害という方法で子どもの命までをもコントロールして見せているのかもしれない。
それが彼らにとっての究極の支配の完成形とも言えるのだ。
また、ここには性的サディズム的嗜好も大きく関係している。

悲劇を事前に食い止めるために私たちの治療はあるが、現状では限界も多く、日本は世界的にも対策が遅れがちだ。
小児性犯罪の抜本的対策の議論が急がれる。

[出典:小児性犯罪者たちの「おぞましき飼育欲」その実態(斉藤 章佳)現代ビジネス(講談社 > http://gendai.ismedia.jp/articles/-/56389 ]

「飼育欲」だなんて、人間はペットではありません。
幼児期の体験で、その後の人生が普通に生きられなくなる、それを考えてほしいものです。

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