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「告るとLINEで晒される」20代男性の悲哀

投稿日:2018年5月28日 更新日:

告るとLINEで晒されるので恋愛が出来ない、という話です。

「20代の4割が童貞」男が告白すらできなくなった驚きの事情

「告るとLINEで晒されるんです…」 2018.05.25
トイアンナ

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これがリアルな数字だ

日本人が絶滅する。SF映画に出てきそうなアオリが、現実になりうる日が来てしまった。
アンケート調査で「20代男性のうち4割が童貞」だと発表したのだ。

日本人が人口を維持するためには、夫婦が2~3人以上の子どもを産まねばならない。
生殖活動の主な担い手となる若い男性の4割が童貞という事実は、ゴシップ誌の笑いにとどまらない人口問題である。

しかし筆者がこの統計を40代以上の男性へ見せても、信じてもらえないことの方が多い。
「どうせ適当な街頭調査でしょ?」「そんなバカな、若い男なんていくらでもがっくもんだよ」と。

しかしこの調査はコンドームを製造販売する相模ゴム工業が男女1万4千人と、この手の調査サンプル数としては異例の数を対象にしたものだ。
コンドーム会社にとって男性の童貞率増加は売上低下へ直撃するからこそ、れっきとした重要かつ真面目なデータなのである。

そして事実、日本のコンドームメーカーの年間出荷量は減少を続け、2012年に3,000万個を切った。
ピルユーザーが劇的に増加しているニュースはないから、日本で行われるセックスの数が減っているとみなしていいだろう。
試験管で受精するのが一般的にならない限り、日本人は絶滅の危機に瀕するだろう。

20代は恋愛もしていない

もちろん、ただやみくもにセックスが増えればいいわけではない。
望まない妊娠は誰にとっても不幸だ。

その観点から調べなおした。
すると、20代未婚男性の6割にパートナーがいないことがわかった。
なんと20代男性は、セックスのみならず恋愛もしていないのだ。

その原因を見てみると、答えはあの『ゼクシィ』をグループに持つ、リクルートブライダル総研が把握していた。
調査によると、20代は男女ともに他世代より「会社・サークル・仲良しグループなどの中での恋愛は何となく気がひける」と答える比率が高い。

しかし結婚相手に出会うきっかけのトップは、時代を問わず職場と学校だ。
職場と学校での出会いを避けてしまうと、とたんに恋人ができる確率がグンと下がってしまうのだ。

フラれたので退学します

ではなぜ「同じコミュニティの相手」と付き合いたくないと感じているのか。
実際に専門学校へ通う20代男性へヒアリングしてみた。

「関係を壊したくない、という思いが強いです。彼女ができる以前にクラスで嫌われたらどうしようって思っちゃうんですよね。それだったら叶わなくてもいいやって」

――告白してフラれるとクラスメイトに悪い印象を与えるということですか?
「そうですね。周りも大人なんで騒いだりはしないですけど、フった子と飲みの席で隣にならないようにとか気を遣わせるじゃないですか。気遣いをさせてることに気づくのも気まずいです。それに前、告白してフラれた男がいたんですけど、なんとなくいづらくなって退学しましたね」

どの時代も、果敢にアタックしてフラれた男性はいただろう。
だがそれだけで「退学」「退職」といった大ごとにまでは至らなかったはずだ。

20代男性の世界ではコミュニティの調和を乱すことが大きなペナルティとなりうる。
だったら片思いのままでいい、独身のままでいい……と考えるのは自然なことだろう。

Twitterで晒されました

また、以前と比べて恋愛にLINE、SNSが使われるのも大きく関係しているようだ。
別の男性は語る。

「いまの女の子って、LINEのやりとりを全部スクショ(=画面の画像保存)するんですよ。それで女子同士で回すんですよね。それで俺が何を話したかとか全部クラスで漏れてるし。いきなり『あの子についてどう思ってるの?まだ付き合わないの?』って全然関係ないグループの女から言われて最悪でした」

――それは傷つきますよね。
「あと、SNSに載せるやつもいます。バイトの先輩が婚活アプリをやってたんですけど、気になる女性へ送ったメッセージを受け取った女性から『キモすぎて一周回って笑うwww」ってTwitterへ晒されたらしくて。そういうのマジで傷つきますよね。誰へ送るメッセージでも、SNSに公開される前提で送んなきゃいけない。そしたらLINEでガンガン口説くとかありえないですよ」

不用意な発言をすれば、SNSですぐに拡散されうる。
読者には小学校のころ、ラブレターが張り出されて顔から火が出る思いをした男性もいたのではないだろうか。
それが世界規模で発信されるとなれば、消極的になるのも当たり前だろう。

受け身すぎる恋愛お作法

問題は20代男性だけではない。
仮に女性が肉食化してどんどん男を口説くようになったなら、恋愛も活発になるだろう。
しかし女性も圧倒的に受け身なのだ。内閣府の国際比較によれば、日本は「恋愛で気になる相手からアプローチがあったら考える」受け身な比率が最も高い。

女性誌『CanCam』のカップル7,000人を対象とした調査によると、女性が男性を好きになったとき取る行動のトップに並ぶのが「好きっぽい雰囲気を出す」というもの。
具体的には「いつも笑顔でいる」「ボディクリームで良い香りになる」など間接的なアピールが多い。

しかし、男性諸君へうかがいたい。
これで好意に気づける男性はいるだろうか。

20代ではアプローチをする男女が少なく、したとしても分かりにくいのである。
これでは恋愛が成り立たない。

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これが20代のアプローチだ!

筆者はこれまでに800人以上から人生相談を承った。
その経験からも、20代では男女問わず「分かりづらいアプローチ」が増加したと実感している。
ここで実際に聞いたアプローチを抜粋し、リストにしてみよう。

<男女問わず20代に多い気になる相手へのアプローチ方法>
・たまに相手のことを見る
・占いや神社へ行く
・ダイエットや筋トレなど自分磨きをする
・グループでご飯に誘う

アラフォー以上の男性なら、これを見て「これがアプローチぃ?」とひっくり返るのではないだろうか。
特にいまの40代以上は、押して押して押しまくるアプローチがよしとされてきた。

しかしこのリストは決して深窓の令嬢が取る行動ではない。
20代男性がごく一般的に取る恋愛の所作である。

それもこれも、あからさまなアプローチをすれば同じコミュニティの仲間に気づかれ、気遣いをさせてしまうからだろう。
協調性が高いあまりに「誰かを好き」とすら言いづらくなっている。
それが20代男性のリアルと言えそうだ。

僕たちのことはほっといて

では20代男性の童貞問題を、先輩はどう支援すればいいのか。
若者から口をそろえて挙がったのは「解決しようとしないでほしい」という声だった。

来年から新卒となる学生はこう語る。
「国の観点からすれば少子化は課題ですけれども、僕らの世代は恋愛なしで幸せだと思うんです。だから恋愛をしろ! とプレッシャーをかけられても困惑してしまいます。社会人は結婚して一人前、という考え方は無くしていただければありがたいです。未婚が当たり前なのだから、その前提で会社でも指導していただきたいです」

別の学生もこう述べた。
「現在、8人に1人の成人は移民だという話もあります。少子化問題に今から取り組んでも、労働力になるのは先です。だったら恋愛ナシでもこれだけ充実してるんだから、それでいいじゃないかと思っています。恋愛をしなくてはならない社会よりも、してもしなくてもいい社会の方が豊かなんじゃないでしょうか?」

学校やサークルなど、コミュニティの調和を重視する代わりに恋愛を手放した20代男女たち。
結婚したいのにできない、恋愛をしたくてもできないと悩む後輩を手助けするのはよいだろう。

たとえば拙著『モテたいわけではないのだが ガツガツしない男子のための恋愛入門』は、そういう普通の男性向け「恋愛の教科書」として出版した。
だがまずは「恋愛してこそ当たり前」という前提を捨てるべき時代がやってきたのかもしれない。
恋愛が必要ない人にまで、恋をさせる義務はない。

参考資料:
相模ゴム工業「ニッポンのセックス」
http://www.sagami-gomu.co.jp/project/nipponnosex/experience_sex.html#exp01
販促コンペ「日本のコンドーム市場」
https://hansoku.co/2014/kadai/orien_pdf/05.pdf
リクルートブライダル総研『恋愛観調査2014』
http://bridal-souken.net/research_news/2014/12/2014-058e.html
内閣府「少子化社会対策に関する国際意識調査」
http://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/research/
CanCam「カップル7000人調査 どうやって付き合いはじめたの?恋人たちの「きっかけ」データ大公開」
https://cancam.jp/archives/120763
法務省「平成29年6月末現在における在留外国人数について」http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri04_00068.html

[出典:「20代の4割が童貞」男が告白すらできなくなった驚きの事情(トイアンナ)現代ビジネス(講談社 > http://gendai.ismedia.jp/articles/-/55784 ]

インターネットの普及が、便利になったと同時に生きづらくなったことをこの記事からあらためて思いました。
SNSなんてなかった時代の方が良かったのかも知れませんし、それは使い方によるのかなとも思ったりします。

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