林修 初耳「ナチスを騙してヒーローになった贋作家」
2017年2月26日(日)放送「林先生が驚く初耳学!」より
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ナチス・ドイツを騙した贋作家「ハン・ファン・メーヘレン」
ナチスの総統ヒトラーは、若き日に画家を志すも美術大学の受験に失敗。
政治家になってからも絵を描き続けるなど、美術に情熱を燃やしていました。
その影響もあり、ナチスは世界中の美術品を略奪しているのです。
そんなナチス・ドイツを騙した贋作家、その人の名はオランダ人画家「ハン・ファン・メーヘレン」。
このハン・ファン・メーヘレンこそ、ナチスをも巻き込んだ20世紀最大の贋作事件の張本人!
手に入れた金額は約70億円
若き日のメ―ヘレンは画家を目指し、数々の展覧会に出品するごく普通の青年でした。
しかし、専門家からは「絵が古臭い」と評価を得られず挫折。
自分の作品を認めず批判ばかりする美術界に復讐をするため、贋作作りに手を染めるようになります。
主に描いたのが、同じオランダ出身のフェルメールの作品。
1940年代当時、フェルメールの作品はオランダの国宝と呼ばれていましたが、残された作品が非常に少なかったため、そこまで研究が進んでおらず、贋作が作りやすい状況だったのです。
そんな中メ―ヘレンは、完璧な贋作を作りあげ、次々と売りさばいていったのです。
手に入れた金額はなんと70億円!
その客の中に、ナチス・ドイツの幹部もいました。
しかしその、完璧すぎる技術によって、メ―ヘレンは地獄を見ることになります。
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メ―ヘレンに起こった悲劇とは!?
1945年、ドイツが降伏し、占領下にあったオランダは解放されました。
しかしその直後、メ―ヘレンは逮捕されてしまいます。
その罪名は「国家反逆罪」。
ナチス・ドイツに、オランダの国宝とも呼ばれるフェルメール作品を渡したことを罪に問われたのです。
当時、オランダ中が注目したこの事件。
裁判当日、裁判所に運ばれた絵画は、フェルメールの作品と思われていますが、全てメ―ヘレンの贋作でした。
つまり、この時点でも、メ―ヘレンがナチスに売った作品は、誰もが本物だと信じて疑わなかったのです。
メ―ヘレンは拘留中、「ナチス・ドイツに売却した絵画は、自分が制作した贋作である」ことを告白しました。
その証拠として、法廷で実際に絵を描いてみせたのです。
さらに、X線写真などの鑑定が行われた結果、ナチスに売った絵は贋作であることが証明されました。
すると、メ―ヘレンの評判は、「オランダの国宝を売った裏切り者」から一転、「ナチス・ドイツを騙し、フェルメールを守った」と評され、一躍英雄になったのです!
画家としては有名になれなかったメ―ヘレンですが、その名は「20世紀最大の贋作事件の主人公」という形で残ることとなったのです。
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