空気が読めない・片付けられない 大人の発達障害とは? 2017年6月3日 世界一受けたい授業まとめ
2017年6月3日放送の「世界一受けたい授業」より
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もしかしたら、大人の発達障害!?
オリンピックで23個の金メダルを獲得したマイケル・フェルプスさんや、モデルの栗原類さんが告白本を出版するなど、今注目を集める「大人の発達障害」。
ここで問題です。
「親のしつけや愛情不足が原因で発達障害になることがある?」
正解は「ない」。
発達障害は、生まれつき脳機能の一部に障害があり、日常生活に支障をきたしている状態。
最近は、社会に出てから症状に悩み、発達障害と気づくケースが増えているのです。
あなたの周りにこんな人はいませんか?
「空気を読めず、思ったままを口にしてしまう」
「自分が決めた手順やパターンに極端にこだわる」
「同じ失敗を何度も繰り返してしまう」
もしかしたら、大人の発達障害かもしれないのです。
大人の発達障害で多いのは、主に2つのタイプ
コミュニケーションが苦手などの特徴を持つ「自閉症スペクトラム障害(ASD)」。
注意力に欠け、落ち着きがないなどの特徴を持つ「注意欠如・多動性障害(ADHD)」。
両方の症状が重なる方も少なくありません。
「発達障害は早期に発見し、自分の特徴を知ることで対策を考えることができ、その後の人生を変えることが可能です」
教えてくれるのは、大人の発達障害の専門外来も担当する、昭和大学医学部教授・岩波明先生(58歳)。
「突然キレる」や「片付けられない」も大人の発達障害。
空気が読めない人、要注意!?
大人の発達障害とは?
15年前に発達障害と診断された広野さん
番組では、実際に発達障害の方に密着取材しました。
広野ゆいさん(44歳)は、15年前に発達障害と診断されました。
18歳と20歳の娘を持つシングルマザーです。
成績は優秀で、青山学院大学を卒業。
大学病院の秘書として就職しましたが、そこである悩みが…。
他の人が当たり前に出来ることが、広野さんには全くできません。
人間関係もうまくいきません。
発達障害は、知的障害のない方が多いので、学校の成績も悪くなく、学生時代には気づかれないことが多いです。
しかし、社会に出てから対人関係や仕事のミスを繰り返すなど、悩みを抱えるようになります。
発達障害の診断を受けてから15年の広野さん、どんな悩みがあるのでしょうか?
大人の発達障害 特徴①「片付けができない」
部屋には服がたくさん置かれています。
「よく着る服はしまわないようにしています。しまっちゃうと『これはない』ということになっちゃうので」(広野さん)
大人の発達障害 特徴②「忘れ物が多い」
この日は、洗濯物を洗濯したまま、洗濯機の中に4時間放置していました。
干し忘れは日常茶飯事だと言います。
「洗濯もできるし、掃除もできないわけではないんですけども、並行したやっていくことが難しい」(広野さん)
大人の発達障害 特徴③「同じものを何個も買ってしまう」
夕飯の買い物に行ったのですが、買い置きしていた玉ねぎを、また買ってきてしまいました。
そして、トイレットペーパーを買うのをわすれ、再び買い物へ。
こうした「買い過ぎ」「買い忘れ」もよくあることです。
大人の発達障害 特徴④「集中すると気づかない」
この日は、習い事に行っている娘さんを迎えに行く約束をしていたのですが…。
料理に集中して、メールの着信音に気づかず、10分後に携帯を見て気がつきました。
大人の発達障害 特徴⑤「遠回しな表現が理解できない」
娘さんが幼い頃、こんなエピソードが…。
「ママ、足が痛い」と言われて、なぜ痛いのかわかりませんでした。
靴が小さくて足が痛いって言われたら、靴を買わなきゃって思うのですが、ただ足が痛いだとわからないのです。
本人も発達障害を自覚し、周りも理解してあげることが大切
人の表情や言葉のニュアンスを読み取れないために、対人関係に悩んだり、「空気が読めない人」と思われることもしばしばあります。
広野さんは、発達障害と診断されてから、考え方も変わったそうです。
「できないことを自分の力だけで克服しようとしないで、周りに助けてもらうとか、ちょっとずつできるようになってきましたね」(広野さん)
娘さんたちも、発達障害のことを少し知ってるだけで、許容範囲が広がると言います。
周りの人が理解してあげられることが大切だと思います。
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大人の発達障害かどうかを病院で診断するとき、持っていくと役立つ物とは?
正解は「通知表」。
発達障害は生まれつきのものなので、本人や親も忘れてることも多いのですが、担任のコメント欄に「落ち着きがない」とか「忘れ物が多い」とか「協調性がみられない」など書かれていると、医師の診断の参考になります。
発達障害は治せる?
現在のところ、根本的な治療法はありません。
ただ、本人や周囲が工夫や努力を重ねることで、社会生活に適応ができるようになれます。
村上さんご夫婦の場合
村上真雄(しんゆう)さん(51歳)は、31歳のときに発達障害と診断されました。
現在は、ソフトウェア開発会社の会長をしています。
妻の由美さん(44歳)は、探し物が得意じゃない夫のために、ラベルを貼るようにしています。
本棚や冷蔵庫の中にラベルを貼り、そこにきちんと戻すようにしています。
また、集中していると耳に入らない夫のために、家の中でもメールをしています。
真雄(しんゆう)さんは、家の中でも首からスマホをぶら下げています。
コミュニケーションが苦手な真雄(しんゆう)さんですが、自分の得意な分野を生かして成功しているのです。
20代から趣味で始めたウェブの技術を生かして、ソフトウェア開発の会社を設立。
電子出版の技術、仕組みなどを表彰する「電子出版アワード2015」の大賞を受賞。
「発達障害であろうがなかろうが、自分ができる仕事をして、それによって喜んでくれる人がいればいいなと思います」(村上さん)
実は、妻の由美さんも、3歳の時に発達障害と診断されています。
当事者である奥様だからこそ、いろいろ工夫して生活しているのです。
もし自分が発達障害と診断されたら?
まず本人は、自分の特性を認めて自覚して、自分の不得意なことを家族や周囲に伝えることが重要です。
そして周りの方は、その特性を「個性」と捉えて、サポートすることが重要だと考えられます。
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