暇つぶし読み物サイト(Another News Station)

暇つぶし 怖い話 ショートショートストーリー 都市伝説 神野守自作短編小説 バラエティー

社会

北朝鮮 秘密組織「39号室」追跡 ミサイル資金獲得のからくり

投稿日:

「ミサイル開発の資金源」エリート脱北者が新証言

2017年8月20日「新報道2001」より

経済的に困窮しているはずの北朝鮮が、なぜミサイルを発射することが可能なのか?
数百億円、数千億円必要とするミサイル開発…

北朝鮮マネーは、どうやって生み出されるのか?
その全容の一端を知る人物、2015年に脱北してソウル在住のキム・イルグク氏(29歳)に話を聞いた。

Sponsered Link

彼は北朝鮮で「第39号室」に所属していた

ミサイル開発資金の一番の要が「第39号室」だという。

39号室と言えば、かつて精巧な偽ドル札「スーパーK」の製造で、世界の金融市場を混乱させた組織。
未だ正体は明らかになっていない…
キム・イルグク氏は、まさにその39号室にいたという。

39号室は、金ファミリーの直轄の組織。
世界中から巨額の外貨が秘密裏に集められ、その大部分がミサイル開発につぎ込まれていると見られている。

2017年2月13日 金正男氏暗殺

金正男氏の死とミサイルはつながっているのか?

金正男氏は、北朝鮮で一番大きい外貨収入源だった。
外国からの投資を誘致し、北朝鮮の知られていない外貨収入を一手に引き受けていた大物である。

加速する北朝鮮のミサイル開発。
そのスピードを後押ししていたのが金正男氏だったという。

だが、彼は殺された。
39号室出身のイルグク氏なら、その謎の答えを知るはず。

いつか金正男氏は殺されることは決まっていた

彼の周りには、国家保衛部が常に一緒にいた。
どこに行ってもついて行く。

しかし彼らは、殺すためについて行っているわけではなく、いつ どこで 誰にあっているのか 何をしているのかを監視するためについて行っている。
金正男氏も、もちろんそれを知っていた。

だから正男氏が、金正恩氏の怒りを買うような行動は一切とらなかった。
なのになぜ、国家保衛部が今年の頭に急に金正男氏を殺したのか。

それは、正男氏を殺した方法にその理由がある

金正男氏を暗殺するなら、空港のトイレに入った時に毒殺することも可能だ。
にも関わらず、なぜ空港の一般ロビーという、公衆の面前で殺されたのか?

これは「公開処刑」なのだ。

では、誰に見せたかったのか?
それは、北朝鮮の高位幹部らである。

正男氏の暗殺は、彼らに対するメッセージなのだ。
すぐに彼らはその意味を理解したと思われる。

血塗られたミサイルだった

正男氏の暗殺は、正恩氏からの死のメッセージだとするならば、誰が受け取り、そこに何が書かれていたのか?

ミサイルは外交の切り札。
一方、暗殺は後継者争い。

北朝鮮の経済は外貨収入を目的にして、そのお金は最終的に「39号室」に集中し、全て金正恩氏のお金になる。
39号室は、北朝鮮のエリートが集まる場所。

このような部署では、選抜されたエリートでないと力量を発揮できない。
39号室は手段を選ばず外貨を稼いできた。

ここで作られたとされる偽ドル札「スーパーK」は、世界の金融を混乱させた。

中央党の組織図

 

 

 

 

朝鮮労働党の中に、組織指導部・宣伝扇動部・国際部・教育科学部などがあり、部以外に、特殊部署として書記室・39号室があった。
39号室は、銀行や宅配、洋服や軽工業品の輸出入をする部署など、8~9の局に分かれている。

イルグク氏は、軽工業品の輸出入を担当している部署に所属していた。
傘下にあるOCNという会社は、日本と取引があり、日本の対北制裁を避けて日本の商品を北朝鮮に輸入する会社である。
そのような特殊な会社までが、39号室に入っている。

今年平壌で撮られた写真には、日本の焼酎や日本酒が確かに写っている。
日本製の楽器や大手メーカーの時計など、全て経済制裁の対象。

 

 

 

 

もちろん、北朝鮮に売ったのは日本企業ではなく、シンガポールにあるOCNという北朝鮮のフロント企業である。

 

 

 

 

販売元が「これは中国に送る・香港に送る」と言ったとき、日本企業は信頼してしまう。
実際に中国や香港でコンテナを取り換え、北朝鮮に運ばれるとわからなくなる。

 

 

 

 

Sponsered Link

ミサイル発射のペースが早まると「39号室」のノルマが大変に

39号室だけでなく、国の経済を扱う部署全てに大きな影響が出る。
国に治める税金が4年前は30%だったが、どんどん上がり、35、40%になっている。

もう一つの外貨獲得方法

それは、金正男氏の後見人だった張成沢氏が主導した「労働者の派遣事業」である。
金正日氏の義理の弟・張成沢氏もまた、正恩氏のミサイル発射に苦しめられたという一人だ。

ドイツ・フランス・クウェート、アラビア・ヨーロッパ・ロシアなど、全世界に出ている北朝鮮労働者は全員、対外建設指導局所属である。
北朝鮮労働者の中には、年収1500万を超える者までいたという。

20~21時間働くため、一人の仕事量が多く、工事が早く終わる。
海外派遣の労働者は約5万人。
多く稼げば、故郷の家族に仕送りすることが出来る。

しかし、国や党から「金を納めろ」と言われるため、労働者に給料を渡せない。
海外勤務は3年間、3年後には家に帰れるが、お金がなくて自殺する人もいた。

自殺をすると、いくらかの補償金が出る。
手ぶらで帰ると、家族に合わせる顔がないのだ。

加速するミサイル開発を支えていたのは、労働者たちの「血と涙」。
エリートたちもまた、党から多額の上納金を要求され、苦しみ続けた。
当然、金正恩体制に対する不満は、内部から膨らみ続けていった。
しかし「ある方法」でそれは抑えつけられた。

銃殺の一般公開

一人の人間に向かって、90発もの銃弾が撃ちこまれる。
それを目の前で見せられるのだ。

金正日時代は、一度の過ちは許されたが、金正恩時代は、たった一度の過ちでも即粛清である。
2013年12月12日、張成沢 元国防委員会副委員長が、国家転覆陰謀罪で処刑された。

イルグク氏の脱北の一番大きなきっかけが、張成沢氏の処刑だった。
検閲や統制が厳しくなり、少しでも仕事を間違えると怖かったという。

張成沢氏の粛清をきっかけに、世界中のエリートたちが一斉に逃げ出した。
彼らを足止めするために行われたのが、「金正男氏の暗殺」だった。

 

 

 

 

 

金正男氏も、張成沢氏と親しかった一人。

エリート幹部の集団脱北がこのまま続けば、ミサイル開発がストップしてしまう。
金正恩氏は追い込まれていたのか?

正男氏の暗殺は、北朝鮮の典型的な「公開処刑方式」

北朝鮮の公開処刑には特徴がある。
ただ処刑するだけなら、静かに牢獄で絞首刑にすることもできる。

しかし公開処刑は、多くの人に見られるような「競技場」「体育館」「国営運動場」などで行う。
つまり公開処刑の特徴の一つ目は、「空港など人目の多く集まるところを選ぶ」。

二つ目は、「両手を結んで目を隠して行なう」。
正男氏が殺された方法も、まさにこれと同じだった。

正男氏はどうして殺されたのか?

正男氏を殺すことで、誰がどんなメッセージを受け取るのか?
それは、海外で金正恩氏の裏金を扱うエリートたちだ。

金正日氏の時代、2000年代前半には、裏金を持って海外に亡命したケースはない。
金正恩政権に入ってから「39号室」統一戦線部のメンバーが裏金を持って逃げた。

”もし逃げたら、お前たちもこうなる”
脱北を企むエリートたちは、正恩氏からの死のメッセージを受け取った。

Sponsered Link

[ad#adsense-1]
[ad#adsense-1]

-社会
-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

日本からなぜ「児童虐待」がなくならないのか?

今日もどこかで行われているであろう「児童虐待」。 何故なくならないのかを考えてみたいと思います。 日本から「児童虐待」が絶対なくならない理由といま必要な10の対策 結愛ちゃんと家族が求めていたもの 2 …

多くのエリート銀行員が「私はもう終わり」と人生を諦め始めた理由とは!?

メガバンクグループが生き残りを賭けて構造改革を進めていますが、「私はもう終わり」と将来を悲観しているエリート銀行員が増えていると言います。 「私はもう終わり」人生を諦めはじめたエリート銀行員が急増中の …

「エホバの証人」元信者女性が自分の体験を漫画にした理由とは!?

よく日曜日などに訪ねてくる「エホバの証人」の方たちをご存知ですか? 私は関心がないもので「忙しいので」と断ると、ポストにチラシを入れていきます。 あまり読んだことはありませんが、動物の絵が描かれていた …

生徒の自殺が教師たちの指導を変えた

前回紹介した息子が自殺した母の言葉「思春期の男の子って、すぐ溶ける氷のような存在」の続きです。 当事者の先生たちが、健司君の自殺以降の指導方法を変えたという話です。 以下から引用させていただきます。 …

感動!受刑者を積極採用する北洋建設 小澤社長の生き方

受刑者を積極的に採用している北洋建設の小澤社長の生き方に感動したので、紹介させていただきます。 「仕事さえあれば、人は再犯をしない」 「罪を犯した者ほど真剣に働く」 「お金があれば気持ちに余裕が生まれ …