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倒産寸前の龍角散を救った藤井隆太社長の「音楽式経営」とは!?

投稿日:

丸い入れ物に入った粉末の薬・龍角散。
子どもの頃に喉が弱かった私は、よくおばあちゃんに飲まされたような記憶があります。

その龍角散が倒産寸前だったとは知りませんでした。
フルート奏者でありながら、龍角散を建て直した藤井隆太社長の記事を引用させていただきます。
実は潰れる寸前だった龍角散を救った「音楽式経営」

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実は潰れる寸前だった龍角散を救った「音楽式経営」12/1(金) 15:00配信

「ゴホン! といえば龍角散」のCMで知られる同社の藤井隆太社長(58歳)に話を聞いた。
社会保障審議会医療保険部会委員を務め、フルート奏者としても著名な同氏だが、その経歴は波瀾万丈だ。

’94年にオーナー一族として龍角散に入社するも、財務状況は火の車。
しかも社内には強力な抵抗勢力が―。
藤井氏はいかに社を再建したのか。

経営は音楽に似ている

【国難】

最初に厚労省の医療保険部会委員として提言をさせてください。

いま、保険医療の制度は壊れつつあり、私は「国難」の訪れだと感じています。
我が国の平均寿命は年々延びていますが、ここ10年「健康寿命」は延びが小さい。
病気の時間が長くなっているだけなのです。

これでは医療費が嵩むのは当然。
今や病気にならない強い体を作ることが、自分のため、そして国のためなのです。

そんな中、興味深い意見を聞きました。
「日本は医療費の自己負担額が安いため、我々はいつしか健康を守る努力を怠るようになった」というのです。

たしかに昔は「普段から家庭薬で体の調子を整えておき、ちょっと普段と違うな、という時だけお医者様に掛かる」というのが生活の知恵でした。

【指揮者】

私が当社へ入社したとき、社員は約100人で年商は約40億円でした。
「まず現場を見て回りたい」と言ったら番頭格に反対されました。

今思えば、真実を知られるのが嫌だったのでしょう。
これを押して現場を見に行くと、工場は一切、効率化していない、営業は問屋さんに「お願いします」と言うだけ。

しかも社員に倒産寸前だと伝えると「言われたことはやっています。オーナーの責任でしょう」「オーナー家にはまだお金があるんですよね?」という返事が返ってきたのです。

音楽の経験から、勘所はわかりました。
新米の指揮者は「皆さんどうしましょう」と御用聞きになりがちですが、ベテランは、皆が納得するビジョンを提示し、メンバーにやってもらいます。
私は後者を選びました。

【啖呵】

私のビジョンは「長所を極大化」でした。
当社を「のどの問題を解決する企業」と位置づけ、最初に薬を包んで飲み込むゼリーを開発しました。

固形物である薬と、液体である水を一緒に飲み込むと喉の感覚は混乱します。
だから子どもやお年寄りは錠剤が飲み込みにくく、とくに介護現場の方は苦労されていたのです。

開発時、多くの社員に「売れない」「事故が起きたらどうする」と反対されましたが「売れなければ自分が買い取る」と啖呵を切って発売し、商品は大ヒットしました。

次は「龍角散ののどすっきり飴」。
固い飴に龍角散パウダーを均等に練りこむのは至難の業で、これも最初は「できない」と言われました。
しかし、一部社員の努力もあって開発に成功、いまやシェアNo.1です。

経営は音楽に似ています。
「これが私の音楽だ」と長所を極大化することで魅力が出てきます。
逆に「器用にいろんなタイプの音楽が弾けます」ではつまらない。

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次世代の問題は次世代が考えればいい

【高効率】

現在、売り上げは約150億円ですが、社員数は変わっていません。
効率化は、大切な仕事とそうでない仕事をわけることによって進めました。

例えば当社は、CMづくりでも商品開発でも「社長プレゼン」がありません。
社員も手間がかかるし、商品の良し悪しは数値を見ていてわかるものではない。
実際に見たほうが早い。
だったら社長が現場に行けばいいんですよ。
多少忙しくなろうとも。

【次世代】

私がいつか死んだら、社員に「やっと死んだか、せいせいした。でも、あの人の時代に会社は強くなったなぁ」と思ってもらえたらいいですね。

よく「トップダウンだと次世代が育たない」と言いますが、次世代の問題は次世代が考えればいいこと。
売り上げがゼロになっても数年は耐えられる財務基盤もできました。
これだけ時間があれば、きっと何とかするでしょう。

また、次世代には私と同じことをしてもらいたくもないのです。
それより、こういう記事を読んで、次世代の人なりの経営をしてくれればいい。
潰れそうな会社を背負い、自分なりにやってきたからか、私はそんなふうに考えています。

【最善】

最後にもう一度、医療の話をさせてください。
父が肺がんで亡くなる寸前のこと。

彼はお医者様から「咳が出るから咳止めを飲みなさい」「咳止めで薬が増えたから胃腸薬を飲みなさい」と次々薬を投与され、遂に「もういい、龍角散を飲む!」と怒りました。

すると父の経歴を知らないお医者様は「本当はそれでいいんですけどね」と言ったのです。

龍角散は、のどの粘膜を直接活性化させる生薬(製剤)。
血液には入らないため、ほかの薬と併用でき、産婦人科の先生に薦めて頂くことも多いようです。

医療の現場は西洋医学が中心で、とにかく薬を飲んでおけばよいと考えがちです。
読者の皆さんは是非、健康・医療に関する知識を深め、自分にとって最善の選択をしてください。
それが国のためにもなるのです。

 (取材・文/夏目人生法則)

———-
藤井 隆太(ふじい・りゅうた)/’59年東京都生まれ。
桐朋学園大学音楽学部卒業後、パリ留学等を経てフルート奏者に。
その後、小林製薬、三菱化学を経て’94年に龍角散へ入社、’95年に代表取締役社長に就任し、以来現職。
11月26日にはパウエル・フルート・ジャパンでフルートのコンサートに出演
———-

『週刊現代』2017年11月25日号より

[出典:実は潰れる寸前だった龍角散を救った「音楽式経営」(現代ビジネス)(Yahoo!ニュース > https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171201-00053572-gendaibiz-bus_all&p=1 ]

経営は音楽に似ています。
「これが私の音楽だ」と長所を極大化することで魅力が出てきます。
逆に「器用にいろんなタイプの音楽が弾けます」ではつまらない。

これは会社経営に限らず、私たちの生き方にも通じると思います。
自分の長所を知り、それをいかに伸ばすか。

高度成長期の時代には、会社の言う通りに働いてさえいれば、年功序列で給料も上がっていきました。
学校教育の現場でも、社会に通用する平均的な人間を育てることが目的でした。

しかし、発展途上国と言われていた国々が成長するとともに、日本の競争力に勢いがなくなり、平均的な能力だけでは就職もままならない時代になってきました。
これからは、単純作業はAI(人工知能)にとって代わり、人間のする仕事は減っていくことでしょう。

人間にしかできない仕事、さらに言えば「自分にしか出来ない仕事」が求められてくると思います。
そういう人が多くなれば、世界における日本の競争力も強くなっていくことでしょう。

自分の長所と考えると、あまり自分では思いつかないものですよね。
家族や友達や先輩、先生や上司などが「君はこういう良い所がある」と言ってあげることで、もしかしたらその人は人生が変わるかも知れません。

「人と違う」ことを否定せず、尊重し合う社会が素敵だと思います。
日本人メジャーリーガーのパイオニア・野茂英雄選手は「トルネード投法」を矯正されませんでした。
50歳まで現役を目指すイチロー選手は「振り子打法」を矯正されませんでした。

そして今、メジャー挑戦の大谷翔平選手が「メジャーでも二刀流するのか!?」が注目されています。
人と違ったことをすると叩かれることの多い世の中ですが、お互いの個性を認め合い、尊重し合える世の中になってほしいなと思います。

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