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社会

あなたは「いじり」のつもりでも、実は「いじめ」になっていませんか?

投稿日:

つい最近、職場の「いじめ」で悩んでいる人の相談を受けました。
どうして「いじめ」ってなくならないのでしょうか?
興味深い記事がありましたので以下に引用させていただきます。
俺がやってるのは「いじめ」じゃなくて愛ある「いじり」…本当に?

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俺がやってるのは「いじめ」じゃなくて愛ある「いじり」…本当に? 12/12(火) 10:00配信

「上司や同僚の『いじり』で、線路に飛び込みそうになる女性たち」という記事を書いて、大きな反響があった。
コメントの中に複数、いじめをいじりと言い換えるのはおかしいという意見があった。
確かに、起こっていることは「いじめ」と同じくらい辛いものかもしれない。

逆説的だが、だからこそ、タイトルや記事中はやっぱり「いじり」にしてしかるべきだったと思う。
なぜなら「俺がやってるのは、いじめじゃなくて、愛あるいじり」と思っている人は「いじめが自殺につながる」というタイトルの記事を読んでくれるだろうか。
あなたのその「いじり」と認識しているものこそが人を死へも追いやるのだと声を大にして言いたい。

問題化する「いじり」

いじりとは何か。大辞泉によると「他人をもてあそんだり、困らせたりすること」。
「客いじり」(漫才などの芸で、特定の観客と会話したり、舞台に上げたりして巻き込むこと)という言葉もあり、古くからある言葉ではあるようだ。
いじめとは「肉体的、精神的に自分より弱いものを、暴力やいやがらせなどによって苦しめること。
特に、昭和60年(1985)ごろから陰湿化した校内暴力をさすことが多い」。

全国紙4紙(朝日・産経・毎日・読売)とNHKニュースを対象に、「いじり」という言葉がタイトルまたは本文にでているニュースを検索すると、「制度いじり」「土いじり」などを除き、からかいとして使われているのはおそらく朝日新聞の2000年04月25日東京夕刊「恋のから騒ぎ “素人いじり”アクセル全開(ばんぐみ探見隊) 」が最初である。
この記事では明石家さんまさんがテレビ番組の中で参加者の女性たちに突っ込みをする様子を取り上げている。

その後しばらく関連ニュースがみられないものの、2006年に現役高校3年生である木堂椎さんが書いた小説『りはめより100倍恐ろしい』をきっかけに、「いじり」の問題がたびたび新聞に上がるようになる。
タイトル「りはめより」はまさに「いじり」は「いじめ」よりも、を意味している。

この本は軽快なタッチで中学時代にいじられキャラだった主人公が、高校ではいじられないように戦略を練るストーリーを飽きさせない展開で巧妙に描いている。
その中で学校集団の閉鎖性や「いじり」特有のしんどさが浮き彫りになる。
この木堂氏の秀逸な描写・分析によってか、これ以降、学校のいじめ報道において、たびたび「いじり」という表現が使われるようになる。

たとえば2012年9月、兵庫県立高校2年の男子生徒が川西市内の自宅で自殺した事件では、いじめていたとされる同級生が、高校からの聞き取りに対し「いじりと思っている」などと答えたと報じられている(2012.10.17 朝日新聞 大阪地方版/兵庫「川西いじめ「いじり」「ノリでやった」 同級生聞き取り文書開示 /兵庫県」 など)。

この事件では、自殺した生徒が、同級生3人から「ムシ」「汚い」と呼ばれたり、教室のいすの上にガの死骸を置いたりするいじめを受けていたことが学校の調査などで分かったが、同記事では同級生側が「むかつく相手でも嫌いな相手でもなかった。ノリでやったみたいな、楽しいかなみたいな感覚」などと答えていることも記事で言及されている。

学者たちの議論

こうした学校でのいじめ問題における「いじり」の存在について認識が広まるにつれ、心理学や教育学、社会学などの学術分野でもいじりの問題を指摘する動きが出てくる。

社会学者の土井隆義氏は2008年『友達地獄―「空気を読む」世代のサバイバル』の中で、現代のいじめがある特定の生徒だけがいじめの被害に遭うわけではないこと(被害者の不特定性)、それを黙って傍観している無関心層が多いことを指摘している。

その中で、大平健『やさしさの精神病理』を引き合いに、対立の回避を最優先させる若者たちの人間関係を「優しい関係」と呼んだうえで「いじり」という言葉にも触れ、次のように述べる。

〈 かくして「優しい関係」を営む子どもたちは、いじめて笑い、いじめられて笑う。傍観者たちもまた、それを眺めて笑う。互いに遊びのフレームに乗りきり、彼らが「いじり」と呼ぶような軽薄な人間関係を演出することで、いじめが本来的に有する人間関係の軋轢が表面化することを避けようとする。そのテクニックは、テレビのバラエティ・ショーなどから学ばれることも多い。互いに「いじり」あうことによって観客の笑いをとる芸人たちの言動は、彼らの教科書として機能している。〉

2010年、向井学氏は書評論文の中で(2010年6月号『社会学批評』「『いじめの社会理論』の射程と変容するコミュニケーション」、2001年に発刊された内藤朝雄『いじめの社会理論―その生態学的秩序と生成と解体』に対する書評論文として掲載された)は次のように述べる。

〈 イジる/イジられるキャラを演じることによって自己肯定感を得ているのは加害者も被害者も同じである。つまり逃れられない集団によって被害者が被害者になるのではなく、自己肯定感を得んがために被害者を甘んじて受け入れているのである。〉

さて、このように問題化されてきた「いじり」だが、これまで分析されてきたものは主に同級生などのフラットな集団を想定し、また若者論として語られてきた。
しかし、このような議論が、2000年代にまず学校での中高生の問題として、それから2010年前後に若者論として出てきていることを踏まえると、分析対象とされてきたのは2000年代に中高生だった世代。
2017年の現在、20代~30代だと考えられる。

この世代が、20代の新入社員、その先輩、となっている今、職場では一体何が起こっているのだろうか。

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職場の「いじめ」

セクハラ、マタハラ、パワハラ、モラハラ……職場においての様々なハラスメントが問題視され、認識が浸透しはじめている。
2012年、厚生労働省は「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ」(主査:佐藤博樹東京大学大学院情報学環教授)を立ち上げた。

この会議では職場のパワーハラスメントを、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性(※)を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう」と定義。
そのうえで、「※上司から部下に行われるものだけでなく、先輩・後輩間や同僚間、さらには部下から上司に対して様々な優位性を背景に行われるものも含まれる」と注釈を加えている。

ここで同会議は、同職場のパワーハラスメントの行為類型を「ただし、職場のパワーハラスメントのすべてを網羅するものではないことに留意する必要がある」としつつも、以下としている。

類型 具体的行為

(1)身体的な攻撃(暴行・傷害)
(2)精神的な攻撃(脅迫・暴言等)
(3)人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
(4)過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)
(5)過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
(6)個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)

一部、(6)などの中に「いじり」についても当てはまるものもある可能性はあるが、「そこに愛があれば」「相手側が甘受しているように見えるから」「相手も一緒になって笑っているから」……といった理由で、「いじり」はパワハラではないと認識される可能性が高い。

しかし、「いじり」も、十分に人を苦しめるということは、学校現場や若者論としてはとっくに議論されている。
場合によっては、被害者側の態度がいじりを加速させてしまい、またそこから声をあげにくい状況に陥ったりして、木堂氏の小説、「(いじ)りは(いじ)めよりも」ということになるわけだ。

だから、職場で起こっている「いじめ」を「いじり」とすり替えて問題を矮小化する……のではなく、「いじり」そのものの問題性をもっと強調していく必要がある。

加害者に認識を

「職場のいじめ」の歴史をたどると、とりわけ不景気時には経営者によってリストラの一環として行使されやすい。
海外諸国でもモラルハラスメント、セクシャルハラスメントなど様々な問題が明らかにされている。
あらゆる集団において、何らかの排除的な行動が起こるのは生き物の性だという主張もある。
どれも、多かれ少なかれの悪意と、加害者側の問題が背景に見え隠れする。

しかし、「いじり」が恐ろしいのは、加害者側に悪意があまりなく、被害者を苦しめている自覚がない場合が多いということだ。
私の記事に対して「どうすればよかったのか分からない」「じゃあどうしたらいいのか」と解を求めるコメントもつく。

もちろん苦しんでいる方には良い解決策を出せたらいいと思う。
でも、被害者側が「どうかすべきだった」と責められたり、「うまく対処する方法」を身に着けることを求められたりするのではなく、認識のない加害者側にまず知ってほしいのだ。

男性が女性に、先輩が後輩を……だけではなく、女性が男性に、男性が男性に、女性が女性に、後輩が先輩を、ということも大いにある。

私自身も過去、学生時代、あるいは社会人になってから、「人をいじる」のに一切加担してこなかったという自信はない。
先輩が誰かをいじる、それを見ながら、そこで笑っているということで、誰かを傷つけていたことがあったと思う。

それに対する自戒の意味も込めて、誰でも加害者にもなり得るからこそ、問いかけたい。
そのイジリ、本当に大丈夫ですか、と。

———-
【中野円佳さん記事取材ご協力のお願い】
本連載ではこれまで女性が受けるいじり・ハラスメントを中心に扱ってきましたが、書籍化させていただくはこびになり、男性も苦しんでいるということを発信していくべく、ご経験談を募集しております。つらいご経験を共有していただくというご負担をお願いすることについては大変恐縮ですが、男女かかわらず取材にご協力いただける方をアンケート方式で募集させていただきます。以下のフォームからお答えください。ご協力何卒よろしくお願い申し上げます。https://goo.gl/forms/qnYQUcvvqrkxG1YK2
———-
中野 円佳

[出典:俺がやってるのは「いじめ」じゃなくて愛ある「いじり」…本当に?(現代ビジネス)(Yahoo!ニュース > https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171212-00053770-gendaibiz-soci&p=1 ]

どうして「いじめ」ってなくならないんですかね?
「いじり」って言ってるけど、実際は「いじめ」ですよね!?

いじりとは何か。大辞泉によると「他人をもてあそんだり、困らせたりすること」。

いじめとは「肉体的、精神的に自分より弱いものを、暴力やいやがらせなどによって苦しめること。

いじりとは、「相手を困らせること」だそうですが、困らせるとは、苦しめることと何が違うのでしょうか?
相手が困っている姿を見て、そんなに楽しいものでしょうか?

私は、「いじめ」を受けて苦しんでいる人の話を聞くだけで、自分の胸が苦しくなります。
もし娘や息子が「いじめ」を受けていると知ったら、どんなに苦しいかわかりません。

軽い気持ちでいじって困らせている相手にも、お父さん・お母さんがいるということを想像してほしいものです。

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