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「国税は、ビットコイン投資を狙っている」と語る元マルサの話

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「国税は、ビットコイン投資を狙っている」と語る元マルサの話が興味深いので以下に引用させていただきます。
元マルサが明かす「国税は、ビットコイン投資を狙っている」

元マルサが明かす「国税は、ビットコイン投資を狙っている」12/14(木) 13:00配信

マルサが、今話題のビットコインをターゲットにしている――そう聞いたら、あなたは何を思うだろうか? 
元国税査察官(マルサ)で、『国税局査察部24時』(講談社現代新書)の著者・上田二郎氏が、国税局は「仮想通貨による脱税を許すまじ」と、着々と動き始めていると明かしてくれた。

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『じっくり聞いタロウ』に出演してみて

まずは、本日14日24時12分から放送される『じっくり聞いタロウ』(テレビ東京)の体験談から始めたい(MCは名倉潤さん、河本準一さん、華原朋美さん。ワッキーさんと白石茉利奈さんがゲスト出演する)。

世の中の「ウラ」を知る人物を集めたトークバラエティ。
私は「元マルサ」として出演依頼を受け、そのときのウラ話を語ってほしいというのだ。
収録日前に打合せをしてから自分のセリフが書かれた台本が送られてきたものの、覚える時間もなく、不安を抱えたままテレビ東京のスタジオに向かった。

スタジオ入りしてからリハーサルをする段取りになっていたはずだが、「後で編集しますから何を話しても大丈夫です」といきなり本番になってしまった。
本音を引き出すための策略かもしれない。

しかし、国税時代に話すことを禁じられていたため、私の心配はむしろ話に詰まってしまうことのほうだ。

スタジオ入りすると、「そこまで顔を隠されるんですね」と、出演者から私の格好をいきなりいじられた。サ
ングラスにマスク姿は、芸人さんからすれば恰好の餌食だったに違いない。

それにしても、私を含めた一般人は、スタジオでカメラを向けられて平常心ではいられないはずだ。
だから、笑いを取りながら自然に話せる芸能人の偉大さを痛感させられる。

最初のトークは天気予報士の森田さん。
テレビ経験が長いだけあって、話がうまい。
しかし、私はかなり緊張しているし、自分が話すべき内容を頭の中で反復しているから、森田さんの話の中身は一切頭に入ってこない。

もう、自分の順番が回ってきた。

河本 「上田さんはいわゆるマルサとして働いていたそうですが、これはどういった職種なんですか? 

上田 「国税最後の砦と呼ばれる、強制調査権限をもつ特殊部隊がマルサです。税務署は事前に通知して(調査日を約束して)税務調査に入るが、マルサは予告なく突入します。裁判官から強制調査令状をもらっているため、社長が居留守を使っていても、本当に留守でも、警察官を立ち会わせて調査に入ります」

始めのほうこそ台本通りに進むが、その後は出演者のアドリブ質問が飛び交い、自分でも何を話したのかあまり覚えていない。

なんとか「嵐」が過ぎ去るのを待って、やっと自分のパートから解放されると「続いては、この方です!」と、松宮義仁さんを紹介する河本さんの声。

「仮想通貨元年を迎えた今年2017年! 儲けて億万長者続出! その仮想通貨の実態を大暴露!」とアナウンスされた。

緊張が解けたこともあってか、「億万長者続出!」と聞いた途端、退職後にさび付いていた私のアンテナにマルサ時代の感覚がありありと蘇ってきたのであった――。

仮想通貨とは何か

仮想通貨とは、インターネット上にしか存在せず、別名「暗号通貨」とも呼ばれるバーチャルなおカネのことだ。
ブロックチェーンと呼ばれる技術が用いられ、誰かが(銀行も含めて)一元管理することなく、世界中の人たちによって管理されている。

一般の小売店などでも使うことができ、円やドルとも交換ができる。
ビックカメラやエイチ・アイ・エスなどを始め、ビットコインで支払える店舗は国内で1万店を超え、仮想通貨を決済手段として使いやすくする環境整備が進む。

デジタルマネーはすでにグローバルスタンダードになっていて、今後も様々な分野に普及していくに違いない。

そんな仮想通貨は現在なんと約1000種類も存在し、ビットコインはその代表格だ。
最大のメリットは、特定の国に属さない国際通貨のため、海外の送金手数料が激安である(ほとんどかからない)との解説が、松宮さんから続けられる。

海外送金の経験がある人ならわかるだろうが、銀行で10万円を送金しようとすると7000~8000円の手数料がかかる。
申込書には送金目的などをこと細かに記入させられ、本人確認も求められるため、嫌がる人たちが地下銀行を使う。

それに対して、ビットコインならネットで簡単に海外送金ができるうえ、手数料も一律0.0004~0.0005BTC(12月7日の円建て計算で約700~875円)程度だ

この話は元国税査察官として絶対に聞き逃せない。
「これは脱税に使われると厄介だぞ……」との思いが浮かぶ。
現在、海外で展開する脱税を監視する手段の一つに、国外送金等調書があるが、把握できるのは銀行を使った海外との送受金で、一回当たり100万円を超えるものだけだ。

仮想通貨を作った人の目的の中には、「監視されない送金方法」も含まれているのではないだろうか……。

仮想通貨を買い漁る理由

松宮氏の話によれば、ビットコインは技術によって発行枚数(2100万枚)の総量は決まっているため、金(きん)の埋蔵量に上限があるのと同じ理屈で、希少価値によって価格が上がるという。

しかし、この説明には納得できない。
金は実物資産だ。
現在の紙幣は金と交換できないが、金本位制の時代には金の保有量が紙幣価値を裏付けていた。
バーチャル通貨と違って、金には宝飾品などの実需もある。

それでは、なぜ仮想通貨の価値が上がるのだろうか? 
その原因の一つに、スイスのプライベートバンクが顧客の金融資産情報を開示し始めたことや、パナマ文書などの流出によって、裏金を隠す手段が狭められていることがある。

つまり、資金が流入する背景には世界的なカネ余りがあって、課税当局に把握されたくないカネを持つ人たちが仮想通貨を買い漁っているのだ。

ビットコインの値上がりの背景にあるのが、相次ぐ分裂である。
2017年8月、最初の分裂で「ビットコインキャッシュ(BCH)」が誕生し、ビットコインの保有者は同数のBCHを無償で受け取った。

10月には「ビットコインゴールド」が分裂し、11月に「セグウィット2X」の誕生が突然中止になると、今度は11月24日になってビットコインダイヤモンド」の誕生が発表され、相場が乱高下している。

今後も分裂が続くとの期待から投機マネーが流入し、「分裂バブル」の様相を呈している。
分裂の理由はマイナー(仮想通貨の採掘者)の覇権争いのようだが、本当の理由を明快に答えることができる人は今のところはいないようだ。

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すでに法改正はできている

国税庁は2017年9月、これまで所得税法上の分類が明確でなかったビットコインをはじめとする仮想通貨の利益は「雑所得」にあたるとの見解を示した。
上場株式や公社債などの金融資産との損益通算を認めず、他の所得と合わせて(総合課税)累進税率(5~45%)を適用する。

仮想通貨の急速な市場拡大に巨額の利益を手にした個人投資家も多く、税務上の取り扱いを明確にして課税漏れを防ぐ狙いなのだ。

雑所得は損失が生じても他の所得との損益通算を認めないばかりか、翌年以降に繰り越すことを認めない。
つまり、黒字になった年だけに税金をかけるため、納税者には極めて不利になる。
国税は投資環境が整っていないと判断したのだろう。

投資に損得はつきもので、3年間程度をならして課税するのは当然なのだが、損失の繰り越しを認めないのは、国税が仮想通貨の把握に苦慮している証拠だ。
もし、数種類の仮想通貨を持つ者が損失のある部分だけを申告してきても、チェックできない。
また、仮想通貨を資産フライトの手段に使えば税務調査で暴き出すことは難しい。

マルサ時代の仲間が「次々にやっかいなものを作ってくれる」と顔を曇らして私に嘆くのももっともである。

実は、FXも2012年まで雑所得として課税されていた。
パソコン1台で世界中と取引ができるが、秘匿性が高く、国税はFXの把握に長いこと頭を悩ませてきた。

それを解明したのはマルサだ。
強制調査で次々と脱税者に切り込み、2009年に店頭FX事業者に対して法定調書(税務署に提出が義務付けられている資料)の提出を義務づけた(「初物のFX」の内偵調査に興味のある方は、拙著『国税局査察部24時』(講談社現代新書)をご一読いただきたい)。

マルサはすでに仮想通貨を捉えるための法改正を終えている。

財務省と国税庁は2017年の税制改正で、国税犯則取締法(国犯法)を68年ぶりに改正し、査察官が電子メールなど電子データを押収できるようにした。

改正によって、査察官が自宅や会社のパソコンを差し押さえた上で、ターゲットの同意がなくてもデータを調査する権限を持たせた。

また、クラウドなどネットワークに保存されている電子メールや会計帳簿なども、開示要請して収集できるようにし、海外で行われた脱税に対応するための布石を打った。
これらは仮想通貨の解明を視野に入れた改正なのだろう。

マルサの力を侮ってはいけない。
ひとたび脱税の端緒をつかめば、販売業者を強制調査できる。
そうなれば、販売業者から購入者が暴かれ、正しい申告をしていない者は一網打尽になる。

そのために国税通則法を改正し、仮想通貨の税務上の取り扱いを明らかにしたと考えれば、合点がゆく。

仮想通貨に手を出すリスク

企業会計では仮想通貨は資産計上したうえで期末に時価評価し、価格変動にあわせて損益を計上することが決まった(2019年3月期から適用する方針)。
また、米シカゴ・オプション取引所は12月10日に、米シカゴ・マーカンタイル取引所も12月18日にビットコイン先物を上場する。
先物取引によって価格変動に対するリスクヘッジの体制が整いつつある。

しかし他方で、本家のビットコインは、分裂を繰り返す不穏な動きをみせている。
金融庁は仮想通貨を使った資金調達(ICO=イニシャル・オファリング)の利用者や事業者に向け、価格が急変動するリスクをきちんと理解するほか、詐欺まがいの事例が出ていることなどを紹介し、自己責任で取引するよう注意喚起を促す。

また、警察庁は犯罪収益のマネーロンダリング(資金洗浄)や詐欺などの疑いがあるとして、ビットコインなどの仮想通貨交換業者が「疑わしい取引」として届け出たケースが4月からの半年間で170件あったと発表した。

『じっくり聞いタロウ』でのトーク中、「買ってみようかな」と前のめりになる出演者に、名倉さんが「価値が突然0円になってしまうこともある」と、リスクを何度も訴えていたが、筆者も同感だ(収録で同感の意を伝えられなかったのが悔やまれる)。
投資目的で仮想通貨に手を出すことにはどうしても抵抗がある。

収録後、新聞紙面に頻繁に踊る「分裂バブル」を読んで、ふと「相場操縦」ではないか? との疑念がよぎった。
相場操縦とは、相場を意識的・人為的に変動させたり、あるいは一定水準の価格に固定させたりして、その相場があたかも自然の需給関係を踏まえて成立しているかのように見せかけ、利益を得ようとする行為を指す。

お断りしておくが、私は仮想通貨の専門家ではない。
しかしながらマルサ時代に相場操縦の疑いで強制調査を行った経験がある。
相場操縦の手法の一つに、株価に一定の影響力を持つ者たちが結託し、互いに売買を繰り返して株価を吊り上げる「馴れ合い取引」がある。

ビットコインも分裂によって多額の利益を得る者たちが主導し、価格を吊り上げているのではないか。
つまり、自己売買では価格を吊り上げられないため、分裂によって取引相手を増やす構図ではないのか? 
株式相場は証券取引等監視委員会の監視下にあるが、仮想通貨の問題点は監視体制がまだまだ整っていないことだ。
そのため、風説の流布(虚偽の情報を流して相場を動かそうとする行為)や見せ玉(大量の発注・取消・訂正をして、取引が活発であるかのように見せかける行為)がまかり通っている。
「セグウィット2X」の騒動も風説の流布だったのではないかと思えなくもない。

相場の先高観を煽るように、この先も「ビットコインプラチナ」や「スーパービットコイン」などの分裂も噂されている。

投資は自己責任。

ビットコイン先物の上場によって空売りも仕掛けやすくなり、価格がさらに乱高下するとの声も聞こえる。

『じっくり聞いタロウ』の収録中に偶然出会った仮想通貨だが、テレビメディアで発言できたことに感謝を込め、読者に慎重な判断を促したいと思って、このたび筆を執った。
上田 二郎

[出典:元マルサが明かす「国税は、ビットコイン投資を狙っている」(現代ビジネス)(Yahoo!ニュース > https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171214-00053789-gendaibiz-bus_all&p=1 ]

「仮想通貨」とはよく聞きますが、実際なかなか理解できません。
やはり「怖い!」というイメージが強いです。
「儲かった」という話を聞くと、「やってみようかな」と思ったりもしますが、やっぱり怖いというのが本音です。
コツコツ地道に働くしかないかなと今は思っています。
皆さんはどう思いますか?

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