暇つぶし読み物サイト(Another News Station)

暇つぶし 怖い話 ショートショートストーリー 都市伝説 神野守自作短編小説 バラエティー

社会

生徒の自殺が教師たちの指導を変えた

投稿日:

前回紹介した息子が自殺した母の言葉「思春期の男の子って、すぐ溶ける氷のような存在」の続きです。
当事者の先生たちが、健司君の自殺以降の指導方法を変えたという話です。
以下から引用させていただきます。
生徒自殺、指導を変えた教師たち

生徒自殺、指導を変えた教師たち 第5景・教育(1―2)2018年1月28日 午後5時10分

兵庫県立伊丹高で生徒指導部長だった小南誠教諭(58)は、聞いた瞬間、体が震えた。
「西尾健司君が亡くなりました」。2002年3月23日早朝の連絡だった。

「なんでや。なんでや」。自問を繰り返した。

Sponsered Link

 
前日、学校のトイレで喫煙したため、小南教諭と校長、教頭、学年主任、担任の青木俊也教諭(54)の5人で特別指導を行っていた。
前年12月に続く指導だっただけに口調はより強くなったが、内規に沿った指導であり、他の生徒のケースと同様に対応したつもりだった。
 
青木教諭も、母親の傍らで落ち込み、涙する健司さんの姿を見ても「命を絶つほど思い詰めているとは想像できなかった」。
  
■  ■  ■
 
淡々とした学校側の対応に遺族は不信感を募らせた。
線香を上げた後、校長は「特別きつくしかったわけではなく、今までと変わりなく注意したまでで…」と説明した。
 
しかし、小南教諭には母裕美さん(59)の訴えはもっともだと思えた。

「無期謹慎を申し渡された子どもがどんな気持ちでいたか分かりますか」
「責めるだけの厳罰ではなく、思いやりのある指導であってほしい」。

一方通行になりがちな指導だったことに気付いた。
 
退学のようなイメージを与えかねない「無期」という言い方を「当分の間」に変え、数時間に及ぶこともあった、問題ある行動を起こした生徒への事実確認は1時間までとした。
教師が感情的にならないように複数で対応することも決めた。
「厳しい指導こそが生徒を鍛える」と考える同僚も多く反対意見もあったが、1年がかりで内規を改めた。
 
「駄目なことは駄目と伝えるべきだが、子どもは失敗しながら成長する。やり直す機会を与えることが大切。指導で無用な不安を与えてはならない」。

その行動に至った経緯や抱えている悩みを、生徒が教師に話せる場になればと改定に期待を込めた。

Sponsered Link

■  ■  ■

生徒の内面をより大切に

青木教諭は当初、指導方法を変えることが本当に必要か半信半疑だった。
ただ、裕美さんの訴えに耳を傾けるうち、考えは変わっていった。

健司さんが亡くなってから4年。
「僕の中で日々健司君の存在が大きくなっていくのを感じます」と裕美さんに語った。
 
生徒一人一人の内面をより大切にするようになり、「しっかり反省しなさい。でも今まで頑張ってきたことは大事にするんやで」と必ず声を掛けた。
今までの成長があってのこれから。
指導で全てを崩す必要は何もないと考えた。
 
その後に移った定時制高校。
ある生徒が深夜、「もう生きるのしんどい」とメールを送ってきた。

父親は蒸発、母親は心の病を抱え、友達関係もうまくいっていなかった。
すぐに車を1時間飛ばして家に向かい、無事でいるのを見たとき、涙があふれた。

「良かったなあ」。

生徒も泣いていた。
健司さんのことがなければ、危機感は薄かったかもしれないという。
 
「100人に1人、その指導がしんどいと思う生徒がいるかもしれない。99人まではよくて100人目は駄目という可能性。ふっとその違いに気付くかどうか」と小南教諭は話す。
問題行動には理由や背景が必ずあり、それが何かを理解できなければ教師の言葉は生徒の心に届かない―。
「生徒がつらいとき、教師の顔が浮かぶ関係をつくれたら、問題が起こる前に解決できる」と信じている。

[出典:生徒自殺、指導を変えた教師たち 第5景・教育(1―2)(福井新聞ONLINE > www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/287254 ]

健司君の自殺が、先生たちの考え方を変えることができた、天国の健司君も喜んでいると思います。
性格も育った環境も全く違う生徒たちを、マニュアル通りに同じように指導しても上手くいかないでしょう。
それだけに、先生はストレスが大変だと思います。

知人の養護教諭は、目が離せない子どもたちを前に「毎日が緊張の連続」だと言っていました。
まさに社会の縮図である学校には、まだまだたくさんの問題があると思います。

Sponsered Link

[ad#adsense-1]
[ad#adsense-1]

-社会

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

『家族という病』の著者が語る夫婦のあり方

『家族という病』『極上の孤独』の著者・下重暁子さんが語る夫婦のあり方とは? 『家族という病』の著者が辿りついた、夫婦についての結論 下重暁子「しょせん他人。期待するな」2018.07.08 週刊現代 …

「インセル」と呼ばれるアメリカの「非モテ」が過激化しテロへ

現在、アメリカでテロを起こしているのは、「インセル」と呼ばれる「非モテ」の人たちだ、という話です。 凶悪犯罪続発!アメリカを蝕む「非モテの過激化」という大問題 テロにも発展。その名は「インセル」 20 …

「裏口入学のヤバイ実態」を医学部予備校の元経営者が明かす

医学部予備校の元経営者が、裏口入学の事をわかりやすく説明してくれています。 医学部予備校の元経営者が明かす「裏口入学のヤバイ実態」 そうか、そんな世界だったのか… 2018.07.20 原田 広幸 世 …

「違法民泊」に独りで泊り続けた女子の想像を絶する経験とは!?

旅行に行くと決まったら、悩むのが宿泊先ですが、できれば安くて良いところに泊りたいものです。 「民泊」と聞くと、「怖くないの?」と思ってしまいますが、「違法民泊」に泊まり歩いた女性のお話を以下に引用させ …

15歳で起業し1億円を調達した高校生「ワンファイナンシャルCEO山内奏人」

将棋界やスポーツ界で、10代の若者が活躍している現代の日本。 そんな中、15歳で起業し16歳で1億円を調達した高校生の起業家がいると言います。 以下のサイトから引用させていただきます。 15歳で起業し …