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「出会い系アプリ」で急増している日本の梅毒患者

投稿日:2018年7月4日 更新日:

日本の梅毒患者が増えていて、その理由が「出会い系アプリ」だという話です。

日本で爆増する梅毒患者と「出会い系アプリ」のヤバい関係

あなたのパートナーは大丈夫ですか? 2018.06.26
山本 佳奈

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目を見張るほどの急増

私は福島県の病院に勤務する医師だ。
地元・福島で、ある異変が起きていることに気づいたのは少し前のことだった。

性感染症の一つである「梅毒」が急増しているのだ。
昨年1年間で報告された梅毒患者は26名だったが、今年は6月10日の時点ですでに45名が感染したと報告されている。

もっとも、この異変が始まったのは今年からではない。
もともと福島は、全国40位以下と梅毒の患者数は少ない県だった。

それが、2015年から患者数が急増し、2016年には人口10万人当たり3.63人と、全国平均の3.56人を上回り、東京、大阪に次いで3番目に梅毒患者が多い県となったのだ。
初めてその数字を見たときは目を見張ったものだ。

全国的にも増えている

さらに調べていくと、こうした「梅毒増加」の傾向は全国に共通していることがわかった。
厚生労働省の性感染症報告数によると、梅毒の新規発症報告数は2003年には509件だったのが、2015年には2690件に、そして2016年には4575 件にまで増加した。

2015年から2016年にかけてだけでも、約1.7倍の増加だ。
ちなみに、2017年は暫定値ではあるが、5820人、とさらなる増加が見込まれている。

特に妊娠可能な15歳から24歳までの若年女性において増加傾向が見られているというから恐ろしい。
後述する通り、性感染症は不妊のリスクを高めるからだ。
福島で、そして日本で何が起きているのか――私は独自の調査を開始した。

出会い系アプリの利用率と性感染症の関係

実は、梅毒の急増に関係していると考えられているのが、SNS上でもよく広告を目にする「マッチングアプリ」や「出会い系アプリ」だ。
そのことを示唆する研究を、帝京大学ちば総合医療センター産婦人科の鈴木陽介医師が実施している。

研究では、都道府県別に、ある3つの出会い系アプリの人口あたりの利用率と、人口あたり新規梅毒発症者数との相関関係を調べている。
すると驚くべきことに、各々の出会い系アプリの利用率が高いところでは、梅毒の患者も多くなるという、「相関関係」が見られたのである(ちなみに「相関係数」はそれぞれ0.76、 0.74、 0.69。この数値が1に近くなるほど正の相関関係が強い)。

「出会い系アプリ」が原因で梅毒が増えた、と言い切れるハッキリした「因果関係」はまだ実証されていないが、両者に関係がある可能性は高そうだ。
研究を行った鈴木医師も、「まだまだ調査は必要ではあるものの、日本においてもマッチングアプリ(出会い系アプリのこと)の普及が、性感染症の一つである梅毒を増加させている可能性は高い」と言う。

実際、私の知り合いにも、こんな男性がいる。
横山慎一さん(仮名・26歳)がその人だ。
横山さんはこう振り返る。

「出会い系アプリやクラブで知り合った女性とは、初めて会った日か2回目に会ったときに性交渉を持ちます。
そうした行為を30名以上の女性に対して繰り返していたら、いつの間にかクラミジアに感染していました」

そう語る横山さんは、高校時代はパッとしなかったが、医学部に入ってから、「医学部生」という肩書きだけで女性にモテることに気づいたという。
それからというもの、クラブやバーで女性をナンパしたり、出会い系アプリを使ってクラブでは出会えない、彼曰く「真面目な女性」にアプローチするようになったそうだ(昨今の出会い系アプリには、婚活などを目的とした真面目な女性が多いらしい)。

「出会い系アプリを用いて、真面目を装って医学生として女性に近づけば、その日か出会って2回目で性交渉をすることは、とても簡単だった」と横手さんは言う。

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ほかの性感染症も増えているかもしれない

注目すべきは、横山さんの行動が、普段は交わることのないコミュニティに「性的なつながり」をもたらし、性病を広めた可能性があることだ。

「クラミジアに感染したとわかるまで、クラブで知り合った女性、アプリで知り合った多種多様な女性を含め、普通なら交わることのない、コミュニティの異なるいろんな女性と関係を持っていました。
だから、自分がクラミジアを媒介してしまっていたかもしれません」(横山さん)

性と心理学の研究者である米ボール州立大学のジャスティン氏も、デートまで漕ぎつけるアプリユーザーの性生活に関する調査が、アプリユーザーはそれ以外の人々よりも性的パートナーが多い傾向があることを示唆している事実を受け、これは、アプリに慣れ親しんだ人がそうでない人よりも性的に活発である可能性があることを意味すると指摘している。
もっともジャスティン氏は、問題なのはアプリの存在そのものというより、アプリを使用するユーザーの「行動」である可能性を指摘していることも付言しておきたい。

さて、こうして出会い系アプリの普及と軌を一にするように梅毒の患者が増えているということは、その背後でほかの性病の急増している可能性も高い。
性病の病原体の種類は30種類を超え、梅毒はその一種にすぎないからだ。

中でも、日本において最も感染者数の多い性感染症は、クラミジア感染症だ。
厚生労働省の「定点報告」によると、2016年は約2万5000人。
次いで、性器ヘルペスの約9300人、淋菌感染症の約8100人と続く。

だが、これは氷山の一角にすぎない。
これら性感染症は、症状を自覚しにくく、病院を受診していないケースが多いと考えられるからだ。

特にクラミジア感染症は、男性の約50%、女性の約70%は初期症状が出にくい。
感染していることにすら気づかず、無治療のまま普通に生活しているケースが多いことは、容易に想像できる。
2017年の日本性感染症学会誌には、「クラミジア感染者は、届け出の約5倍以上あるとも言われている」という記載さえあるほどだ。

不妊のリスクを高める

恐ろしいのは、こうした病原菌のうち、クラミジアや淋菌、トリコモナスが不妊の原因になることだ。
卵管や子宮頸管、さらには骨盤内に炎症を引き起こし、精子や卵子の通り道を塞ぐことで、不妊症を引き起こしてしまう。
不妊症の原因の2割は、クラミジア感染症が占めていると推測している研究者さえいる。

また、英シェフィールド大学のビル教授は、「自然妊娠できていないカップルが、現在7組に1組いるが、性感染症や肥満が原因となって将来は3組に1組のカップルが自然妊娠できなくなるだろう」と推測している(肥満も排卵障害を引き起こして不妊症の原因となるのだ)。
こうした性感染症のほとんどは、抗生剤の内服で治療することができる。
早期発見・早期治療が鍵となるのだ。

しかし、感染が判明してもパートナーに打ち明けられず、繰り返し感染を起こしてしまうケースや、感染していることに気付かず未治療のまま放置してしまっているケースが後をたたない。
一例をご紹介したい。

「まさか自分がクラミジア感染症になるとは思っていかなった」。
数年ぶりに再会した医師の友人(女性)が、「実はね」と言ってカミングアウトしてくれた。

ひどい月経痛に悩まされ、大学1年生の頃からずっと低用量ピルを内服していたこともあり、それ以外の避妊は特にしていなかったという。
性感染症の知識があったにもかかわらず、自分が感染することはないだろうという思い込みから、対策が頭の中から抜けてしまっていた。

幸い、彼女は初期症状を自覚したのだった。
性行後の出血を不思議に思っているうちに、急に我慢できないほどの下腹部痛が出現した。

おかしいと思い、子宮頸がん検診のついでに性感染症の検査を受けたところ、クラミジア陽性と判明した。
パートナーも一緒に抗生剤を内服して治療しないことには、この疾患は完治しない。

彼女は、パートナーに陽性であったことを伝えた。
抗生剤を内服し、その後、陰性化したものの、不妊症になってしまったのではないかと、今も不安で仕方がないという。

まずは知識を持つこと

知識のある人ですら、こうして対策を忘れてしまいがちだが、それ以前に、日本ではそもそも性感染症への関心が低い。
四天王寺大学の楠本久美子教授の報告によると、コンドームが避妊とエイズ予防に役立つことを認識している大学生は58.9%、性行為でクラミジア感染することを自覚している大学生は、たったの0.9%であったという。

こうした環境下で、出会い系アプリを使って無防備に性行為が行われることのリスクは認識されたほうがいいだろう。
出会い系アプリが性感染症を増やしているかどうかを、明確に証明するのはなかなか難しい。
また、関係性があるかもしれないからアプリ自体を取り締まる必要があると結論づけるのも良くない。

大切なのは、性感染症が決して他人事ではなく、誰しもが身近な問題であることを自覚することではないだろうか。
授業で習っていないから知らなかった、では済まされない。
自分のカラダは、自分で守るしかないことをよくよく知っておいていただきたい。

[出典:日本で爆増する梅毒患者と「出会い系アプリ」のヤバい関係(山本 佳奈)現代ビジネス(講談社 > http://gendai.ismedia.jp/articles/-/56165 ]

まずは性交渉の前に、お互いが医師の診断書を提出し合うのが良いのではないでしょうか。
「人を見たら泥棒と思え」から「人を見たら保菌者だと思え」に変わっていくのかも。

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