元力士”貴闘力”が語るギャンブル依存症の実態 「じっくり聞いタロウ」
2017年1月19日放送「じっくり聞いタロウ」より
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元人気力士の貴闘力を襲った恐ろしい病
1990年代に活躍した元人気力士の貴闘力さん(49歳)。
得意の突っ張りで、当時の大横綱 曙から金星を量産。
「曙キラー」として親しまれ、横綱・大関の次の番付・関脇まで上り詰めました。
そんな人気力士だった貴闘力を襲った恐ろしい病、それは「ギャンブル依存症」。
これまで負けた金額はなんと5億円!
ギャンブルを止めた時に1億ぐらい借金がありました。
「競馬」「競輪」「ボートレース」「オートレース」そして海外で「カジノ」三昧…。
あらゆるギャンブルに手を出し、これまで負けた金額はなんと5億円!
ギャンブル依存症は、日本に1億2000万人いるなかで536万人。
20人に1人は、ギャンブル依存症の疑いがあります。
ギャンブル依存症診断チェック
貴闘力さんの症状としては、寝ていてカードが頭の中に出てきたり、手に汗をかいて寝れなくなったり、急に起きてしまったりとか…。
ギャンブル依存症診断チェックというのが、マーク式で20問あります。
「ギャンブルのために仕事や学業をさぼったことがあるか?」
「借りた金をギャンブルに使ってしまい返せなくなったことがあるか?」
「ギャンブルで負けた時も勝っていると嘘をついたことがあるか?」
など20問前後あります。
だいたい、10問ぐらい当てはまるとヤバいとのこと。
貴闘力さんの場合は、20問全部に当てはまったそうです。
多額の借金をしてまでギャンブルにハマった貴闘力さんは、野球賭博に手を出し相撲協会を解雇。
さらには離婚。
いったい何故、人気力士だった彼が、人生を狂わせてしまうほどギャンブルにのめり込んでしまったのでしょうか?
ギャンブルにハマったきっかけとは!?
まず、ギャンブルにハマるきっかけとなったのが、付き人時代のある出来事でした。
付き人のころは大変で、こき使われるか練習しているかのどちらか。
たまたま5000円くらいもらい「馬券買いに行ってこい」と言われました。
「新宿までタクシーで行ってこい」と言われましたが、もったいないので中野から歩いていきました。
「この馬2頭いいな」と思った2頭を5000円だけ買いました。
それが8000円(80倍)つきました。
5000円で8000円だったので40万円になりました。
月に1万円しか持っていないのに、いきなり40万円になったのです。
するとさらに、ギャンブルにハマる「ある決定的な出来事」が!
ギャンブルにハマる「ある決定的な出来事」とは!?
関取になると「化粧回し」「締め込み」「着物」とか全部新調しないといけません。
それは自腹で、400万円くらいのお金がいるのです。
「なんやねんそれ」と思いながら、350万円はなんとか集めました。
ところが、そのお金を預けた奴が悪くてトンズラしてしまったのです。
「もうどうしようか」と思っていたのですが、たまたまポケットにあった10万円を持って大井競馬場に行きました。
それが当たって400万円くらいになったのです。
ビギナーズラックで10万円が400万円になった貴闘力さんは、そこからギャンブルで勝つことの快感を覚え、そこからカジノにのめり込んでいきました。
なかでも、依存症になるまでハマってしまったのが、運が勝敗を支配する「バカラ」でした。
バカラとは!?
バカラとは、プレイヤーとバンカーに配られたカードの数の合計が9に近い方がどちらか予想するギャンブル。
勝てば、賭けた額が2倍になって払い戻されます。
つまり、10万円を賭けて、勝てば20万円、負ければゼロに。
そんな一か八かの運勝負に、貴闘力さんは一体いくら賭けていたのでしょうか?
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1回2000万円!
「1回2000万円くらい賭けてました」(貴闘力)
2000万円が一瞬にしてゼロに…。
ちなみに、イタリア語であるバカラの意味は、「ゼロ、破産」。
それでも、勝った時の快感が忘れられない貴闘力さんは、巡業の合間を縫って海外のカジノへ行きました。
「一番やったのは、4日間寝ないでやりました」(貴闘力)
日曜日に行って、気がついたら木曜日でした。
体重が10kgぐらい痩せる時があったそうです。
当然、稼ぎがないと遊べませんが、現役当時は一体いくら稼いでいたのでしょうか?
現役時代にいくら稼いでいた!?
「一番多い時は(全国の応援してくれるタニマチからのお金も合わせて)年収約6000万円くらい」(貴闘力)
普通は、車や時計に使う人が多いでしょうが、貴闘力さんの場合は全部ギャンブルに使いました。
いつも真剣に闘って、いつ死ぬかわからない勝負をしていたので、死んだらお金を残していても仕方ないと思っていたのです。
「ただのデブなのに、良い服着てもしゃーないし、良い時計持ってもしゃーないじゃないですか」(貴闘力)
全てをギャンブルに注ぎ込んだ貴闘力さん。
稽古が忙しくて海外に行けないときは、どうしていたのでしょうか?
優勝賞金も全部ギャンブルに!?
朝6時くらいに起きて、年配になったら7時とか、稽古場に行って練習します。
昼まで練習して、昼から競馬場に行って、夕方6時くらいに競馬が終わります。
そこからまた、いろんな人に麻雀とかに呼ばれて夜の12時とかまでやります。
それでも相撲への情熱は消えることなく、2000年、32歳で悲願の初優勝を果たしました。
優勝すると、優勝賞金1000万円と副賞が1000万円くらいあります。
大阪場所だったので地元でした。
地元の有名なタレント・やしきたかじんさんから、祝儀として300万円もらいました。
次の日に北新地を2人で20軒くらい回ると、みんながこぞってご祝儀をくれました。
そのお金は1000万円にもなったそうです。
合計3000万円を全て、競馬に注ぎ込んで散財しました。
やめたいと思ってもやめられない
お金がないときは、財布に100円でジュースを飲むお金もありませんでした。
お金がなくて、場所まで電車で行ってました。
そして次の月に給料が入ったら、またギャンブルに行っていたのです。
自分でも、「ヤバいな」と思うことは何度もありました。
親方に「ギャンブル止めます」と言って、土下座したことは何度もありましたが、1年~2年は我慢できても、甘い誘惑がたくさんあったのです。
2002年に引退し、親方として第2の人生を歩み始めましたが、2010年に野球賭博に手を出し相撲協会を解雇。
さらに、当時結婚していた、昭和の大横綱・大鵬さんの娘さんとも離婚。
ギャンブルですべてを失い、深く反省した現在は!?
今は何をしているの?
今は、都内を中心に、焼肉店を11店舗経営しています。
一番売っている店で、年間1億2000万円くらいの売り上げがあります。
毎日のように閉店まで店に立ち、自らを過酷な労働環境に置くことで、ギャンブルの誘惑を断ち切ろうとしているそうです。
さらに、自分と同じギャンブル依存症に苦しむ人の力になりたいと、これまでの経験を生かして講演活動を行っています。
月に4回くらい地方に行き「ギャンブルしたらアカンで、自殺してしまうで」と…。
300万円くらいの借金を払えなくて、消費者金融に追い込みかけられて死ぬ人も多いのです。
今の所、2年はギャンブルをやっていない貴闘力さんですが「明日やるかもしれない」誘惑と、今も闘っています。
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