描かれたメッセージを暴け! 本当は怖い!世界の名画ミステリー 2017年2月18日 世界一受けたい授業
2017年2月18日放送の「世界一受けたい授業」より
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聖ルチアの絵に必ず描かれる《怖いもの》とは!?
今から1700年前に実在したとされるキリスト教の聖人・聖ルチア。
たくさんの画家が彼女を描いています。
ほとんどの絵に《あるもの》が登場します。
聖ルチアの絵に、必ずと言っていいほど描かれている《怖いもの》とは何でしょうか?
正解は「目玉」。
【聖ルチア(283-304年】
彼女が生きた西暦200年代後半は、増え続けるキリスト教徒に脅威を感じたローマ帝国による、キリスト教徒迫害が厳しかった時代でした。
にもかかわらず、信仰を貫き通した聖ルチアは、数々の拷問を受け、最後は両目をえぐられ処刑されました。
そのため、彼女の絵には、悲しげな目が描かれた絵が多く見られます。
こうした名画の秘密を紐解いてくれるのが、著書「怖い絵」シリーズがベストセラー、美術評論家の中野京子先生。
”描かれたメッセージを暴け! 本当は怖い!世界の名画ミステリー”
「懐かしい我が家での最後の日」
イギリス・ヴィクトリア朝「マルティノー」が描いた「懐かしい我が家での最後の日」。
資産家の貴族が破産して、これから家を出なくてはいけないシーンが描かれています。
祖母に執事が鍵を返し、たった5ポンドしか渡せないと泣いています。
右下には有名なオークション会社の目録が落ちています。
差し押さえを意味する品番ラベルが、椅子や絵画などに貼られています。
この絵の中には、一家が没落した原因が描かれています。
それは、左下に描かれている馬の絵画。
つまり、主人が競馬などのギャンブルにのめり込んで全財産を失ったことを、この絵は暗示しているのです。
「破天荒にお金を使うとこうなる」という《教訓画》になっています。
画家がこの絵を描く際に、ある貴族の家を使わせてもらいました。
すると、この絵が描かれてしばらくしてから、その貴族が破産しました。
おそらくギャンブルではないかと言われています。
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「ヘリオガバルスの薔薇」
イギリスの写実画家、アルマ=タデマ作「ヘリオガバルスの薔薇」。
ローマ皇帝ヘリオガバルスと取り巻きたちが、薔薇の花びらが美しく舞う様を楽しんでいるように見えます。
実はこれ、とても残酷な事をしている場面が描かれているのですが、それは何でしょうか?
正解は「人が窒息するのを鑑賞している」のです。
実は、ヘリオガバルスたちは、大量の薔薇の花びらを乗せた巨大な幕を客席の頭上に張り、招いた客がやって来るとその幕を下ろし、客が薔薇の花びらに溺れ窒息死する姿を見て楽しんだと言います。
ヘリオガバルスは、ローマ史上最悪の暴君と言われています。
14歳で皇帝になり、18歳で暗殺されました。
第5代ローマ皇帝・ネロと並ぶ暴君として有名です。
「死刑囚に毒を試みるクレオパトラ」
フランスを代表する歴史画家・カバネルの作品。
描かれているのは、古代エジプト王朝最後の女王・クレオパトラ7世。
彼女の視線の先には、《ある怖い光景》が描かれていますが、それは何でしょうか?
正解は「毒殺されている死刑囚」を見ています。
実は、人体実験で毒の効果を試していたクレオパトラ。
その理由は「美しく死ぬため」。
彼女は、見苦しい死にざまを見せず、短時間で死ぬことができる毒を求め、死刑囚に様々なヘビの毒を試していたと言われています。
そのエピソードを基に描かれたのがこの絵です。
最終的に、コブラに胸を咬ませ自殺したと伝えられています。
怖い絵に秘められた画家の知られざる人生
ベルギーの国民的画家「ルネ・マグリット」。
まるで夢の中のような独特な世界を描くシュールレアリスムの巨匠として知られる彼の作品は、日本の美術の教科書にも度々掲載されているので、目にしたこともあるのでは。
芸術家というと破天荒なイメージですが、彼は銀行に勤めていた庶民派。
アトリエは構えず、家の食堂で絵を描いていました。
しかし、そんなマグリットの作品の中には、いくつかの怖い絵が!
人の顔に布が被せられていたり、顔を花で隠されていたり、顔の見えない不気味な人物が登場するのです。
実はその背景には、少年時代に起きた《ある出来事》が、深く影響していると言われています。
マグリットが顔の見えない絵を描くきっかけとなった出来事とは何でしょうか?
それは「愛する母親の自殺」と言われています。
彼が13歳の時のある夜。
精神を病んでいたマグリットの母が、家を抜け出し行方不明に。
母親が見つかったのは、それから2週間後の事でした。
近くの橋から川に身を投げたマグリットの母。
着ていたガウンが首に絡みつき、顔が覆われた状態で発見されたのです。
幼い子どもが見るには、あまりにもショッキングな姿でした。
そのときの印象が強烈に残ってしまったためか、マグリットの作品には顔の見えない人物が度々登場します。
死を連想する暗いイメージが多いのは、この事件が影響したと言われています。
子どもは、親の不幸を自分のせいだと思ってしまうところがあるので、ものすごいトラウマになってしまったのではないでしょうか。
本当は怖い名画ミステリー 2017年7月15日 世界一受けたい授業(中野京子)
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