友情のウェディングドレス!34年後に受け継がれる愛
2017年8月10日放送「奇跡体験!アンビリバボー」より
自分の行動がもしかしたら、数十年先の未来に見ず知らずの人の運命を左右するかも知れないというお話
今から40年以上前、熊本県に住む保子さんは、看護師として病院で働き、休日には教会で行われている障がい者の支援活動に参加していました。
保子さんはある日、そこで竹原律子さんという女性と知り合いました。
律子さんは難病によって背中が変形しており、そのため幼い頃から周りの子と同じように遊ぶ事ができなくて特別扱いされる事も多かったのです。
でも、教会で出会った保子さんは、彼女に笑顔で接してくれました。
年齢が近くて話もあった2人はすぐに意気投合し、いつしか親友になっていました。
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律子さんの夢は、自分で縫ったドレスを着て、バージンロードを歩くことでした
その話を聞いた保子さんは、恐る恐る、自分が結婚することになったと告げました。
律子さんは親友の結婚を聞き、彼女のために腰の痛みに耐えながら、心を込めて手縫いのウェディングドレスを仕立てました。
そして保子さんは幸せな結婚式を挙げたのですが、親友が贈ってくれたこのドレスが、のちに思いもよらない出来事を引き起こす事になるのです…。
保子さんの結婚式から4年後
障がいを抱えた野尻高記さんと千穂子さんが、結婚式の打ち合わせで教会を訪れました。
千穂子さんは元々走るのが大好きな女の子でしたが、幼い頃の脊髄の病気で歩けない身体になりました。
そして彼女の両親は、高額な医療費を払うために田畑を売り、知人から多額の借金をしたのです。
そのことを知った彼女は何日も眠れぬほどにショックを受け、死のうとするのですが、すんでのところで父に止められたのです。
父から「障がいは悪いことでも恥かしいことでもなんでもない。千穂子! 胸を張って生きろ!」と言われた千穂子さん。
以来、裁縫の技術を学んで職を得るなど様々なことに挑戦し、持ち前の明るさを取り戻していきました
そして、31歳になるころ運命の人と出会い、教会で結婚式を挙げることになったのです。
しかし、相手の男性も足に障がいを抱えていたため、生活する上でギリギリの収入しかなく、ドレスを用意するお金がありませんでした。
そんな2人を見ていた牧師夫人が、教会に寄付されたドレスがあるといって、一着のドレスを持ってきたのです。
それは 4年前に律子さんが親友の為に縫ったドレスでした
実は保子さんは、自らの結婚式を挙げた後、ドレスを教会に寄付していたのです。
そのドレスは、まるで千穂子さんの為に作られたかのようにピッタリでした。
千穂子さんの結婚式から7年後、彼女はお母さんになっていました。
娘の紗織さんは元気な女の子で、両親の手伝いを当たり前のようにしてくれる子になっていました。
しかし、紗織さんは障がいのある両親を気遣い、自分から遊びに行きたいとは言いませんでした。
授業参観があっても、母が車いすで学校に来るのは大変だろうと、千穂子さんに知らせようとしませんでした。
千穂子さんは、紗織さんが障がいを持つ両親のもとで幸せなのか分かりませんでしたが、その時、父の言葉を思い出したのです。
「障がいは悪い事でも恥ずかしい事でもなんでもない。千穂子!胸を張って生きろ!」
”自分には出来ない事がたくさんある。でも、してあげられる事もあるはず”
下半身マヒでも運転できる車を使って学校まで行くと、周りの人たちに手伝ってもらいながら、学校の行事には欠かさず参加しました。
また、娘と遊園地へ行ったとき、一緒に乗る事は出来ませんでしたが、見ず知らずの人にお願いし、一緒に乗り物に乗ってもらいました。
決してお金がある訳ではなかったのですが、娘の幸せだけを願って子育てに奮闘しました。
子育ても一段落した2007年、千穂子さんは、古くからの知人に誘われ、およそ30年ぶりに教会を訪れました。
するとそこには、一人の女性がいました。
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その女性はなんと、最初にドレスを着た保子さんでした
彼女もこの日偶然、教会を訪れていたのです。
同じウェディングドレスを着た2人が、この日初めて対面を果たしました。
2人にはともに、独身の子供がおり、会わせてみようということになりました。
初めて会ったその時、紗織さんも、のちに夫になる啓一郎さんも、まるで昔に会ったことがあるような、不思議な感覚がしたといいます。
2008年8月16日、バージンロードを歩く紗織さん。
運命の出会いから8ヶ月後、あの教会で結婚式をあげました。
彼女がまとったウェディングドレスもまた、夫の母、そして実の母が着たドレスと同じものでした
30年もの間、牧師夫人が大切に保管していたのです。
30年以上前、1人の女性が親友の幸せを願って縫いあげたウェディングドレス。
彼女が込めた想いは、4年後、再び花開くこととなりました。
そして、同じドレスを着た2人の女性はやがて母となり、その2人の母が偶然出会い、紗織さんは運命の相手と巡り合えたのです。
もしあの時、律子さんがドレスを縫ってくれていなければ、沙織さんの今の幸せは、別の形になっていたかも知れません。
結婚式の後、牧師夫人が教会を離れたため、現在ウェディングドレスは、紗織さんが家で大切に保管しています。
紗織さんには娘はいませんが、息子2人のお嫁さんが着てくれることを願っています。
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