中国・習近平体制 強権化の裏に超監視社会 情報7daysニュースキャスター
2017年10月21日放送の「新・情報7daysニュースキャスター」より
「中国の特色ある社会主義は”新時代”に入った」
今週中国では、5年に一度、今後の方向性を決める中国共産党大会が開幕。
「中国の特色ある社会主義は”新時代”に入った」(習近平国家主席)
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3時間半演説した習近平国家主席。
反腐敗闘争により権力を集中させ、盤石な一強体制を築きあげようとしています。
しかしその一方で、あることを恐れ、こんな政策を強化しているといいます。
「非常に強い監視社会を実現しようとしていると思います」(拓殖大学 富坂聰教授)
習主席が推し進めている超監視社会、その狙いと実態とは!?
”超監視社会”中国の実態とは!?
「中国人は世界中どこに行っても中国共産党に監視されています」(中国人漫画家 孫向文さん)
習主席のもと中国政府は、これまでの5年間、国家安全法などを整備し、中国の監視社会化を進めてきました。
中でも、ネット上の言論統制は顕著で、今年8月には1000件以上のブログが突如閉鎖され、10月からは、ネット上のコメントの書き込みにも実名登録が必要になりました。
ユーチューブやフェイスブックなど外国サイトを検索すると、結果は出てくるものの、そのページにアクセスしようとすると、「ページを表示できません」というメッセージが。
さらに「肉まん 習近平」をキーワードに検索すると、「法律と規定によって検索結果は表示されません」と検索を拒否されます。
習主席のネット上のあだ名が肉まんのため、検索できなくなっているといいます。
そして「天安門事件」をワードに検索すると、中国共産党に都合の良いページしか出てきません。
こうした検閲を国民はどう思っているのでしょうか?
来日中の中国人の意見は…
「あまり政治の話はしたくない。庶民は政治より生活安全が最重要ですから」
「庶民としては自分の生活が良ければいい。他の政治的なことには関心ありません」
皆一様に、政治の話はしたくないと。
ある中国人男性の本音
顔を隠し現れたのは、中国人漫画家の孫向文さん34歳。
3年前に来日し、中国の超監視社会を描いた漫画を出版しています。
中国共産党に正体がバレないように、マスクとサングラスで取材に対応。
孫さんの友人が中国のチャット「WeChat(ウィーチャット)で、グループ会話をしていたときのこと。
それは同窓会のグループで、10人で始めたのですが、いつの間にか11人になっていました。
その11人目が誰かということは、皆わかりません。
皆の会話を見ているそれは幽霊のような存在で怖いといいます。
それは監視役として密かに入り込んでいたのです。
そんな監視は街でも行なわれています。
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官民合わせて約1億7000万台のカメラ
中国の監視カメラの設置数は世界でもトップクラス。
官民合わせて約1億7000万台のカメラがあります。
街を歩いていると、わずか10メートルの間に何台ものカメラが…。
もはや街中に死角はないと言われているほど。
さらに、屋内でも数多くの監視カメラが。
飲食店での市民のケンカをカメラが捉えています。
また、手術室でもケンカが。
リアルタイムで公開されている監視カメラの映像
そして驚くのが、このような監視カメラの映像がリアルタイムで公開されているのです。
インターネットセキュリティ会社「スイディ」では、約1万5000台の監視カメラから、見たい映像を自由に選ぶことができます。
その映像は、飲食店やダンス教室、街角やオフィスと多岐にわたっています。
音声も聞くことが出来、見ている人はコメントも投稿できます。
こうしたカメラは主に民間で設置されたもの。
政府はハイテク監視カメラに力を入れています。
AI監視システム「天網」
中国政府が力を入れているAIを駆使した監視システム「天網」。
監視カメラが捉えた通行人の性別や年代、服装、さらに車の年式や車種などを瞬時に識別できます。
例えばある歩行者を見ると「男性」「成人」「半そで」「長ズボン」と表示されます。
そして、この映像を警察などのデータベースと連動させることもできます。
犯罪者など、登録してある人物をカメラが捉えると、瞬時に顔認証を行い、一致率を表示し、即座に警報が鳴ります。
実際に指名手配者を検挙した例もすでにあります。
交差点では、顔認証システムが信号無視の摘発に使われています。
監視カメラが通行人の信号無視を捉えると、すぐさま警察のデータベースと照合し、違反者を特定。
そして、交差点脇の巨大モニターに、顔の画像や名前など、個人情報が表示されます。
AIを駆使した監視システム、中国政府は治安維持のため、としていますが、その裏には、反政府的な人物の監視ということもあるといいます。
「小さな爆発にとどめたいんですよ。反体制の動きをする人を、小さな芽の段階で摘んでおきたいと…」(拓殖大学 富坂聰教授)
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