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仏教徒で尼さんが、クリスチャンと結婚した「異宗教結婚夫婦」の話

投稿日:

妻が仏教徒で尼さん。
夫はクリスチャン。
そんな二人が結婚しましたよっていうお話です。
以下から引用させていただきます。
「仏教徒でしかも尼さん」と「クリスチャン」の異宗教結婚夫婦

 

 

 

 

 

 

[出典:https://www.amazon.co.jp/聖 尼さん-「クリスチャン」と「僧職女子」が結婚したら。-露の-団姫/dp/4393436512/ref=as_li_ss_tl?s=books&ie=UTF8&qid=1517558603&sr=1-1&keywords=%E9%9C%B2%E3%81%AE%E5%9B%A3%E5%A7%AB&linkCode=sl1&tag=gendai_biz-22&linkId=dffc088a800476f468b8320f580bb9f3]

「仏教徒でしかも尼さん」と「クリスチャン」の異宗教結婚夫婦 2018.02.07

「宗教」や「姓」を強要するのはDV 露の団姫 落語家 僧侶

「あなたたちの結婚はすぐに破綻する。なぜなら、価値観が全く違うのだから」――7年前、馴染みの葬儀屋の専務が自信満々で言い放ったあのひとことが今でも忘れられません。
しかし、私たちは今日もその“期待”を裏切り、仲良く暮らしているのです。

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結婚が祝福されない理由

私が夫である豊来家大治朗と出会ったのは、2010年夏のことでした。
太神楽曲芸師の夫と落語家である私は出会った瞬間から意気投合し、半年後には結婚を約束しました。

しかし、そんな私たちを祝福してくれたのはごく僅かな人たちでした。
なぜなら私たちは「常識の無い」、「許されない」、「無茶な」結婚をしようとしていたからです。
若い二人の結婚が祝福されない理由―それは、お互いの「宗教」にありました。

私は、現在「落語家」と「天台宗僧侶」として活動をしています。
これはどちらも高校1年生のときからなりたいと思っていたもので、落語好きである両親の影響を受け落語家を志し、また法華経というお経に出会い感激したことから信仰の喜びを知り、僧侶となって信仰心を持つことの大切さを広めたいと願うようになりました。
そこで当時15歳だった私は、落語家兼僧侶になって仏教落語を創作し、布教活動をしようと心に決めたのです。

落語家になったのは18歳のとき。
そこから3年間大師匠の家に住み込み、朝は4時起きで修業をさせていただきました。

そして、夫と出会った23歳の頃はまだ僧侶となる前でしたが、僧侶になるため天台宗へ「お坊さんにならせてください」と頼み込んでいる真っ最中でした。
そんなバリバリの仏教徒である私が「この人だ!」と運命を感じた相手は、なんと、洗礼を受けているクリスチャンだったのです。

親が違って当たり前

結婚を約束した相手がクリスチャンと知ったときは、さすがに驚きました。
なぜなら、日本のクリスチャンは人口の約1パーセントだといわれているからです。
しかし私は驚きはしたものの、宗教が違うことを決して「壁」や「障害」だとは思いませんでした。

というのも、私は信仰を持ったときから、常々「お釈迦さまは自分の魂の師匠であり、親だ」と感じてきました。
そのため、夫がクリスチャンであることを知ったとき、「夫の親はイエス様なのだな」と思ったのです。

我々人間、人それぞれみんな親が違って当たり前です。
そして、結婚したらお互いの親を大事にします。
だから夫とは、結婚したらお互いの親を大事にするように、お互いの神様とお互いの仏様を大事にしたらええやん、という話しになったのでした。

平和への近道

また、結婚を約束した当時、私は“天台宗キャンペーンガール”(業界初!)をやらせていただいていたため、比叡山におられるお坊さんの師匠へ「宗教が違うもの同士の結婚は許されるのでしょうか?」とお伺いをたてに行きました。
すると、比叡山の師匠は“比叡山宗教サミット”についてのお話しをしてくださったのです。

毎年8月に開催される「比叡山宗教サミット」は、世界中からキリスト教、イスラム教、神道、仏教各宗派の宗教者が集まり、お互いの信仰を認め合いながら皆で平和を祈る、という催しです。
そこで、比叡山の師匠は「比叡山では宗教サミットをやっているぐらいだから、あなたという仏教徒とクリスチャンの彼が結婚し仲良くすることは宗教平和の第一歩になるのでは」と言ってくださったのでした。

親が違っても、信じる神様が違っても、お互いが仲良くするために大切なことは、その共通点を無理に探したり、すり合わせることではありません。
必要なのは、みんな違って当たり前なのだと認め合うこと。
それこそが、夫婦、家族、社会の円満、平和への近道だと確信を持っています。

結婚式は2回

結婚式は2回、キリスト教会と比叡山延暦寺でやることになりました。
これを聞いた友人達は、「クリスチャンの旦那さんがキリスト教会を希望して、団姫さんが延暦寺を希望して収集がつかなくなったの?」と聞いてきました。

しかし、そうではありません。
実は延暦寺を希望したのはキリスト教徒の夫で、キリスト教会を希望したのは仏教徒である私だったのです。

なぜ、そんなことになったのでしょうか?
実は、「宗教の違いは親の違い」と先に述べましたが、私は夫の親であるイエス様に夫を大切にしますと誓いたいと思い、そして夫も同じく、私の親である仏様に誓いたい、と延暦寺を希望したのでした。
晴れて、私たちは2011年、夫婦となったのです。

しかし、世の中には本当にいろいろな考え方の人がいて、冒頭の葬儀屋の専務のように、私たちの宗教が違うことを「価値観が違う」と言う人が少なからずいました。
夫婦で宗教が同じでないと、気持ちがバラバラになるというのです。
では、宗教を一緒にすれば価値観は同じになるのでしょうか?

夫に信仰を強要され

「俺のことを愛しているなら、お前も仏教徒になれ」―以前、夫からこんな言葉を浴びせられた女性からお悩み相談をいただきました。
女性は敬虔なクリスチャン、夫は仏教徒です。

女性は結婚前にクリスチャンであることを夫に伝えていたそうですが、いざ結婚してみると夫から「お前は俺と結婚したのだから、俺の実家の墓に入って当たり前だ。だからお前も仏教徒になれ」といわれたそうです。
そもそも信仰心というものは、誰かから頼まれたり、命令されてどうにかできるものではありません。
それを、墓の事情や結婚を理由に無理やり相手を変えさせようとする男性がいて、また、それに対して女性が疑問を持つこと自体許されないような社会の風潮は人権を無視しているとしか思えません。

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熟年離婚が多い理由

ちなみに「愛」という言葉には、キリスト教と仏教では全く違う意味があります。
一般的に我々が「愛」と認識している行いや情はキリスト教の「愛」で、これは仏教では「慈悲」に近いものです。
そして、仏教での「愛」は「愛欲」のことをいいます。

例えばこの夫は「夫婦は信仰が一緒であることこそ愛」と思っているようですが、妻に仏教徒になれという行為は、信仰を同じくしているわけではなく、妻の気持ちを殺し、信仰を強要していることに他なりません。
結婚したら相手の気持ちまでどうにでもできる、できて当たり前、そうするものだというこの夫の主張は「愛」ではなく自分本位の「愛欲」であり、それは精神的なドメスティックバイオレンスともいえます。
また、本当に「信仰を一緒にしてこそ愛」と思っているのであれば、この夫がクリスチャンになれば良いだけの話しなのですが、こういう人に限って、自分が相手に合わせることは嫌なのですネ。

結婚をすると、ほとんどの女性が「宗教」も「姓」も夫に合わせさせられる日本社会。
それが当たり前だからと言いながらその悪習の上に胡坐をかき、うまくいっているつもりになっているのは実は夫のほうだけかもしれません。
結婚とともにアイデンティティを奪われていく女性たちは、口に出さないだけで、悲しみや疑問、そして怒りを抱えている場合も少なくないのです。

……と、こういう記事を書くと、「そんなわけないだろう!うちの妻はよく出来た女だからそれもすべて飲み込んだうえでうまくいっている!」と、苦情をいただくことがあります。
しかし、現実を見てください。
もし本当にそのようにすべてを受け入れている女性ばかりであれば、これほど「熟年離婚」が多いというのは、不思議ですよね?

愛という名のもと、相手に「宗教」や「姓」を強要することは、決して「価値観を同じ」にすることではありません。
私たち夫婦は宗教こそ違えど「信仰に生きる」という喜び、その大切さを知っている仲間です。
まわりの人間がなんと言おうと、私たちは私たちにしか知り得ない喜びの価値観を共有しているのです。

「他人のことなんてホットケ!」「イエス」

異宗教結婚についてのご相談を年に何度かいただくことがあります。
しかし、私たちのように当人同士が納得し、生活に、そしてお互いの愛する気持ちに支障をきたしていないのであれば、それはまわりにゴチャゴチャ言われる筋合いのないことです。

ただ、今はそう自信を持って言える私も、やはり結婚当初は心無い人たちからあれやこれやと言われ、疲れてしまったこともありました。言い返してやりたいところ、立場上言い返せない相手もいて、よく自宅で「私たちのこと、なんも分かってへんくせに」と泣いたものです。
そんなとき、いつも夫は私の愚痴をウンウンと聞いてくれました。
有難いことに、そうしているうちに私も気持ちに余裕が出てきて、洒落を言う元気が出てくるのです。

「もう、本当に人の結婚のことなんてホットケ!って感じやね。ホトケなだけに(笑)」

こんなダジャレを私が言うと、夫が笑顔で答えてくれます。
え?なんて答えるかって?
そりゃ、クリスチャンなだけに「イエス」って(笑)
おあとがよろしいようで☆

露の団姫(つゆの・まるこ)

上方落語協会所属の落語家。
兵庫県尼崎市在住。
高座の他にもテレビ・ラジオで活動中。
小さい頃からの「死」に対する恐怖をきっかけに仏教を学びはじめ、高校在学中に人生指針となる法華経に出会う。
落語家になるか尼さんになるか悩む中、落語の創始者、初代・露の五郎兵衛が僧侶であり、説法をおもしろおかしく話したことが落語の起源と知る。
高校卒業を機に初代・露の五郎兵衛の流れを組む露のへ入門。
3年間の内弟子修行を経て、主に古典落語・自作の仏教落語に取り組んでいる。
2011年、天台宗で得度。
2012年、比叡山でを受け正式な天台僧となる。
年間250席以上の高座と仏教のPRを両立し全国を奔走する異色の落語家。
好きな言葉は「一隅を照らす」(伝教大師・最澄上人)。
TV出演多数。
主な著書に『プロの尼さん』(新潮社)、『聖 尼さん』『法華経が好き!』(ともに春秋社)など。

[出典:「仏教徒でしかも尼さん」と「クリスチャン」の異宗教結婚夫婦(露の団姫)現代ビジネス(講談社 > http://gendai.ismedia.jp/articles/-/54352 ]

以前、「エホバの証人」の信仰を強要されていた女性の話を紹介させていただきました。
「エホバの証人」元信者女性が自分の体験を漫画にした理由とは!?
元信者が告白する「エホバの証人の活動のなかで、最もつらかったこと」
エホバの証人事件で息子の輸血を拒否した父親と、演じたビートたけしさんとの距離

いくら親子でも、子どもは別人格だから、信仰を強要すべきではないと思います。
今回ご紹介のご夫婦は、それぞれの宗教を尊重し合う、素敵な関係だなと感じました。
末永くお幸せに!

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