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読書が苦痛だと言う人への京都大学・鎌田浩毅教授の提言

投稿日:2018年5月25日 更新日:

読書を苦痛から楽しみに変えるために、京都大学の鎌田浩毅教授が提言したいこと。

読書ゼロの大学生に教えたい「読書を苦痛から楽しみに変える方法」

大事なのは「フレームワーク」の違い 2018.05.23
佐藤 優 作家

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二極化がすすむ学生の読書習慣

読書をしない大学生が増えているという。

〈1日の読書時間が「ゼロ」の大学生が2017年、初めて5割を超えたことが26日、全国大学生協連合会の調査で分かった。
一方、「読書をする」という大学生の平均読書時間は1日あたり51・1分で前年より2・5分延びており、「二極化」が進んでいるようだ。

調査は昨年10~11月、大学生協を通じて、全国の国公私立30大学の学生を対象に実施し、約1万人から回答を得た。
その結果、1日の読書時間が「0」と答えた学生は53・1%で、前年より4・0ポイント増加。この5年間で比較すると、18・6ポイントも増えていた。

読書時間を「120分以上」と答えた学生は5・3%で、10年以上にわたってほぼ横ばいで続いている。
同連合会は「大学生になって本を読むかどうかは、高校生までの読書習慣で決まっているのではないか」と分析している〉(2月26日「朝日新聞デジタル」)

最近の大学生はスマホばかり見ているので読書時間が減っているとの見方があるが、それよりも理系、医歯薬系の学生の読書離れが深刻なようだ。

〈同志社大学学習支援・教育開発センターの浜島幸司准教授が調査を分析したところ、「読書時間の減少にスマホの直接的な強い効果はみられない」という結果が出た。

むしろ、読書時間の短さには、文系よりも理系、医歯薬系といった属性が関係していた。
読書時間「ゼロ」が増えた背景には、入学前に読書習慣がない学生が多いことに加え、入学後も読まない学生が増えていることがあり、浜島准教授は「読書習慣を身につけさせる施策(実践)が必要だ」と指摘する〉(3月19日「朝日新聞デジタル」)

京都大学の鎌田浩毅教授は、読書が嫌いな理科系の学生を念頭に置いて実効性のある読書術を提示する。

〈読書術でもっとも大事なことは、その技術が簡単でなければならないということである。
すなわち、読者が現在行っている読書術よりも新しい読書術のほうが楽なときに、はじめて採用できる。
使うエネルギーのより少ないものでなければ、わざわざ新しい方法を実行することはないのだ。

(中略)世のなかには読書術について述べた本がたくさん出版されている。
そのなかにはよく書かれている本もあるが、かなり面倒でとても実行できない方法が多い。

その本の著者自身は大変几帳面だから実行できるのだろうが、「私には到底無理だ」と思わざるをえない本が多数ある。
これに対して、本書で提示したのは、ズボラで常に楽をしたがる人に向けて私が編みだした、理系的な手抜き読書術なのである。
楽をするというのは、科学技術の基本にある考え方である〉

フレームワークという「壁」

この方法は文科系の学生や、時間に追われているビジネスパーソンにも役立つ。
特に興味深いのは、「フレームワーク」に関する鎌田氏の指摘だ。

〈本が難解なのは、著者と「フレームワーク」が合わないからではないかと、あるとき気がついた。
フレームワークとは「考え方の枠組み」「思考パターン」「固定観念」のことである。

人は誰しも固有のフレームワークでものを考えている。
よって、フレームワークの合う人同士は話が通じやすく、それが異なる人とは円滑なコミュニケーションが取りにくい。

考え方の枠組みが違う場合には、つきあいがうまくいかないのだ。
私たちはフレームワークに強く支配されている。
たとえば、好きな本ばかり読もうとしたり、いつも決まった結論を下したりするのが、その例である。

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私がフレームワークの重要性をはじめて認識したのは、専門の火山学を市民に伝えようとしたときだ。
二〇〇〇年三月に北海道の有珠山が噴火し、私は全国ネットのテレビのニュース番組で解説することになった。

私が言いたかったのは、「噴火予知には成功しており、今後も火山学者が観測データを見ているから心配ありません」という趣旨だった。
しかし、視聴者には「大学の専門家が怖い顔をして、早口でまくしたてている。有珠山に大変なことが起こりそうだ」という、私の意図とは逆のメッセージが伝わってしまった。

ここで私はフレームワークに「壁」があることを知った。
市民と科学者とでは、自然現象に対する認識がまったくと言っていいほど異なる。
一般市民のフレームワークに通じなければ、科学者の言いたいことは何も伝わらないことを痛感したのである〉

フレームワークは火山学だけでなく、外交においてもとても重要だ。

1951年のサンフランシスコ講和条約で日本が千島列島を放棄したこと、1956年の日ソ共同宣言で平和条約締結後にソ連(その継承国であるロシア)が歯舞群島と色丹島を日本に引き渡すことに合意したなどの外交のフレームワークを理解していなくては、北方領土問題を正確に把握することはできない。

しかし、フレームワークを正確に理解している人は、火山学でも北方領土問題でも少ない。
それだから客観性を欠いた情緒的な言説が横行するのである。

鎌田氏は、〈自分と他人のフレームワークの違いを意識することが、人づきあい上達の秘訣なのである。
自分のフレームワークを相手へ上手に橋わたしできたときに、意思の疎通がはじめてうまくいく。
私はこの方法を「フレームワーク法」と名づけた。

この方法を、難しい文章や本を読み解くことに応用してみよう。
(中略)この能力を身につければ、新聞・雑誌のわかりにくい記事や難解な哲学書を読み解くときにも威力を発揮するのである〉と強調する。

その通りであると思う。
理科系だけでなく、文科系の読書が嫌いな学生を指導する際にも役に立つ本だ。

 

 

 

 

 

 

 

『週刊現代』2018年5月26日号より

[出典:読書ゼロの大学生に教えたい「読書を苦痛から楽しみに変える方法」(佐藤 優)現代ビジネス(講談社 > http://gendai.ismedia.jp/articles/-/55769 ]

Amazonのレビューを読むと、この本がなかなか良質の本だという事がわかります。
理科系の読書術 – インプットからアウトプットまでの28のヒント (中公新書)
読書に苦手意識のある方は読んでみてはいかがですか。

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