超危険!川の底から金を掘りまくる子どもたち 世界まる見え
2017年1月23日(月)「世界まる見え!テレビ特捜部 ブッたまげ大発見 2時間スペシャル」より
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フィリピンの「ホセ・パンガニバン」
フィリピンの首都マニラから190kmほど東に位置する町「ホセ・パンガニバン」
この町では、来る日も来る日もとんでもないことが行われています。
少年が、細いパイプを口にくわえ川の中に!
パイプから送られるわずかな空気だけを頼りに、9メートル潜り、たどり着いた空間で彼は岩を削り始めました。
実は少年は、命がけで金を探しているのです。
この町の人々は、一攫千金を夢見て、いたるところで土を掘ります。
大人だけじゃなく、子どもたちも危険を冒して掘り続けているのです。
一体、どれだけ金を発見できると言うのでしょうか?
11歳のジョシュア
ホセ・パンガニバンは、金が豊富に採れることから「黄金海岸」と呼ばれ、数百年にわたって金の採掘が行われてきました。
しかし、さすがに掘りすぎました。
現在も、他の町からやってきた採掘者を合わせて、約1万5000人が血眼になって探していますが、なかなか採れません。
こうなれば、家族総出、子どもも駆り出されます。
11歳のジョシュアもその一人。
父「おーい、ジョシュア!早くこれを引き上げてくれ!」
ジョシュア「もう、待ってよ」
父「重いんだから早くしてくれよ、頼むから。ほら、腰を入れて!」
ジョシュア「入れすぎだよ」
この中に金が入ってるかもしれないと、これでもかと父親は袋の中に詰め込みました。
ジョシュア≫
「本当は学校に行って、友だちに会いたいよ」
父・ラリー≫
「バカなことを言うんだよな。あの子が働いてくれなきゃ、我が家はやっていけないよ。2人でやればチャンスが2倍に増えるかもしれない」
ジョシュアはもう、2年も学校に行っていません。
来る日も来る日も泥との格闘…
父曰く、1人でやると1日500ペソ(約1150円)の金しか見つかりません。
ジョシュアの手助けなしでは、6人もの大家族を養うことなどできません。
父・ラリー≫
「ジョシュアは、大事な大事な仕事のパートナーなんですよ」
12歳のマーク
一方、12歳のマークも、父親の金採掘を手伝わされています。
マーク≫
「こんな町を出て、他の場所で働きたいよ。もうまいっちゃう」
そしてこの仕事は、実はとても危険!
しばしば大事故が起きているのです。
父・マルコス≫
「マークには、適当にやっていると土に埋まって死んじゃうぞって、口を酸っぱくして言っているのですが…」
そんなことはお構いなしに、マークは今日も、30kgはあろうかという土を入れた袋を担いで運んでいます。
金の粒を探す作業も、実はとても危険です。
父・マルコス≫
「ちょっとばかり、水銀を混ぜるんだよ」
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水銀は体内に入ると悪影響!
土からある程度金を選り分けたところで、水銀を加えて混ぜ合わせます。
すると、金だけが水銀に溶け込みます。
そして、バーナーで炙って水銀を蒸発させれば、金がきれいに残るのです。
しかし、水銀は体内に入ると、ほんの少量でも、腎臓や脳の機能に悪影響を及ぼすとされる危険な金属です。
この作業を、最初から最後まで素手でやっています。
それを吸い込んでいてもおかしくありません。
父・マルコス≫
「危険なのはわかってるけど、しょうがないよね。こうしないと金を買い取ってくれないんだよ」
買い取り業者が買い取る値段は!?
仲間4人と泥を掻き出して、この日採れた金は豆粒大。
一体いくらで売れるのでしょうか?
買い取り業者に持っていくと…
買い取り業者「えっと、1.5グラムだから1950ペソだね」
日本円で約4500円ほど。
4人で分けると、一家の取り分は1000円ちょっと。
インタビュアー「これで生活できますか?」
父・マルコス「生活できますかって、これで何とかするしかないだろ」
実は、彼らが持ち込んだのは闇のブローカー。
受け取った金額も、金の国際取引価格より、ちょっと安めのようです。
買い取り業者≫
「いやいや、あのくらいの量だとやっぱりこんなもんよ」
16歳のジェラルド
それにしても、村の大部分を掘りつくしてしまった採掘者たちは、ついにこんなところまで掘り始めました。
16歳のジェラルドは、空気が出てくる細いパイプを口にくわえ、川の中に入っていきます。
どんどん潜る、まだまだ潜る。
これは空気を送るコンプレッサーを使うことから「コンプレッサー採掘」と呼ばれています。
彼の命を支えているのは細いパイプだけ。
もしパイプが捻じれたり詰まったりすれば、ジェラルドの命はありません。
このコンプレッサー採掘では、たびたび若者が命を落としています。
かつて一人の採掘者が、多くの岩を持ち帰ろうと、水中でダイナマイトを爆破。
その衝撃で、100人以上の採掘者が亡くなってしまったという大事故が…
ジェラルド≫
「本当はめちゃくちゃ怖いけど、しょうがないよね、我慢するしか」
ようやく、水深9メートルの川底にたどり着きました。
辺りは真っ暗で、ほとんど何も見えません。
そして、今度は横穴へ移動。
そこには狭い空間があり、岩を削って持ち帰ります。
今日の成果はどれくらいでしょうか?
「ダメだよ、お手上げ!」
残念、収穫はゼロでした。
もう一つのギャンブル
子どもたちを働かせて少しばかり収入を得た大人連中が夢中になっているのは…
それは、鶏同士を戦わせる「闘鶏」というギャンブル。
「どうだ、今日は3000ペソ(約6900円)勝っちゃったよ。1週間遊んで暮らせるよ。へへへ」
一方、すっからかんになった採掘者たちは、またせっせと金を探すのです。
市長の言葉
こんな状況を、ホセ・パンガニバンの市長はどう思っているのでしょうか?
市長・リカルテ・パディリャ≫
「この町は貧しく、他に仕事がないんです。子どもたちにとっても危険なのはわかっていますが、金の採掘だけが唯一の収入源なんです」
こうして、命がけで集められた金は、闇市場で売買され、中国や香港で美しい金製品に生まれ変わるといいます。
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