林修 初耳「スキャンダル日本史「千円札の顔」野口英世のウラ 豪遊&金目当ての婚約」
2019年2月10日(日)放送「林先生が驚く初耳学!」より
野口英世 お金と女性のスキャンダル
スキャンダル日本史 第32弾。
金と女を巡るトラブルが後を絶たない現代ですが、今回の主人公もお金にまつわるスキャンダルを持った一人。
それが野口英世です。
野口英世は、細菌学者として黄熱病や梅毒の研究に命をかけ、3度もノーベル賞候補に挙がった偉人中の偉人ですが、実はとっても金遣いの荒い男だったのです。
”野口英世 お金と女性のスキャンダル”
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野口英世 19歳
福島から上京する際、母親からもらった生活費として、現在の15万円に相当するお金をもらったのですが、宵越しの金を持たない主義の野口は、芸者と共に宴会。
直ぐに生活費を使い果たし、以降借金を繰り返すようになりました。
その反面、仕事は順調で、20歳で医術開業試験に合格し、21歳で国内屈指の伝染病研究所に勤めるなど、活躍の場を広げつつありました。
明治33年 箱根
しかし明治33年、友人と共に箱根の温泉に行った時、再びスキャンダルが!
野口は、東京の資産家・内藤夫妻と出会います。
内藤夫妻から「姪のます子と結婚してほしい」と言われ、野口は閃きました。
資産家の持つ金に目をつけた野口は、なんと会った事のない女性と婚約。
持参金として、アメリカへの渡航費用の援助を取り付けたのです。
その金額は、今で言う100万円。
このお金でアメリカに渡り、立派な研究を行う……。
伝記本の常連である野口英世なら当然そうするかと思いきや、そんな男ではありませんでした。
大金を手に入れた野口は、直ぐに料亭で豪遊。
なんと一晩でそのほとんどを使い切り、手元には10万円相当しか残らなかったと言います。
結局、友人の血脇守之助が渡航費を立て替えて渡米。
もともと結婚する気などなかったので、お金をもらったら内藤夫妻の前から姿を消して婚約を破棄。
夫婦へ返す事となった婚約持参金100万円も、友人の血脇に立て替えさせたのです。
千円札の顔なのに、お金にはだらしなかった野口英世ですが、ここからがスキャンダル!
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なぜ「清作」から「英世」に改名したのか?
お札にも刻まれている野口英世という名前ですが、もともとは野口清作。
21歳の時、奇妙な事件に巻き込まれて英世と改名したのです。
それは、1冊の本との出会いがきっかけでした。
それが、坪内逍遥の小説「当世書生気質」。
その本を読んで野口はびっくり!
「これはまるで、俺のことが書かれてるみたいじゃないか!」
その内容は、田舎から出てきた秀才の医学生が、女と酒にはまり自堕落な生活を送るというもの。
しかも、その男の名前が「野々口精作」。
なんと野口と二文字違い。
さらに、小説の野々口精作は、最期に自暴自棄になって自殺するという悲惨な内容。
まるで自分の末路を書かれているようで怖くなった野口。
「こうなったら、名前を変えるしかない!」
野口は、この小説の人物と無関係だと示すために改名を決意したのです。
しかし、改名はそう簡単には認められません。
そこで野口はスキャンダラスな行動に出る!
当時、改名が許される条件の一つが、同じ村に同じ名前の者がいる事。
そこで野口は、たまたま同じ村に生まれた「清作」という赤ん坊を探し出し、強引に野口家と養子縁組をしたのです。
こうして同じ村に、二人の野口清作が誕生。
「野口清作が二人いては、ややこしかろう!」
と役所に訴え、超強引に英世に改名したのです。
ここで気になるのは、野々口精作のモデルが野口かどうかということ。
実はこの本、明治18年に出版されたもの。
野口は明治9年生まれなので、小説出版当時は野口が8~9歳の無名時代。
つまり、野々口精作は偶然名前が似てしまっただけだったのです。
作品を書いた坪内逍遥も、「彼とは全く関係ない」と語っています。
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